少年のような少女に恋をして未知の遊びをおぼえたあの日
5
オリーブのあぶらのやうなかなしみに茄子をひたせばにほひ立つ紺
4
「蝉がいない」ことがすべてを物語る 夏の終わりの否定神学
3
かかとを隠しあっていて遠くなる立ち尽くすのに力が要るとは
1
「ジュリアン」と亀に名付ける人がいる 盆が終われば蝉も鳴かない
3
迷宮に入り込みたる今宵ゆくこころの奥の秘密のこころ
2
ふと耳に聴こえてくるは虫の音か はたまた蛇口をひねった音か
5
花々に埋め尽くされた廃病院かつてわたしはここで生まれた
12
慰めも指輪もキスもいらないわ わたしはひとりでしあわせになる
3
粘膜に粘膜を溶き縺れあうここは浄土か不忍池
1
龍を名に冠する風呂屋屈強な背にすむ龍も紅くおののき
1
ハザードが点滅してる犬だけが乗ってるワゴン車パーキングにて
4
アッツアツ サクッザクッとアジフライ グワッとご飯 ほか弁ヤバイ
2
やきとりが 手軽に買えて うれしいね 今の社会の いいところです
1
服ダサくていいやそれが幸せに似てるような気がするからさ
0
ピンクかな?または意外と茶色かも、いちばん甘いマーブルチョコは。。。
4
ハンミョウの背に秘められた色彩は死期を迎えたこの星の空
6
キイキイと人差し指と親指のあいだで呻くキボシカミキリ
3
だれが いつ どこで どうして どのように なにをしたのか なにがなんだか
3
赤黒きプラムの闇を食む午後の温き甘さのしづむ溟濛
2
ほんのりとがりてもゐる此の果実うずくまるまま転がりゆくか
2
扁桃アーモンドのかたちの種を遺しつつ女体の夢と闇をうつす実
3
物置きの小屋の奥より声は来るどこどこ何処と仔猫さがすも
2
寝苦しい夜が過ぎゆき朝となる 絶対夢に出てこない君
3
万年毛筆 べっ甲鼬毛名入れ付き 心持ちだけ本格派
2
あしひきのフロントの役にも立たぬ山田さん! 逃げてんじゃねーよレジくらい打て‼︎
0
誰とでもつながる時代誰からも見届けられぬくるしみもある
7
人見知り煮詰めると帰省土産とか配るのも少し緊張するんだ
2
明日から二連休になりましたアウトレット行って髪切り
1
筆を取り白い欄に文字書くと自由がとても私を過ぎる
0