もう僕は 誰かの糧になるぐらいしかできないけど、それでいいのよ
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四六時中雨ざらしでも滲まない耐水性の人でありたい
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鮮やかな希贾布ヒジャブが揺れて、砕米を非洲阿姨アフリカおかんが炊きこんでいる
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たんけんたい ぞうきばやしで見つけたよ しへいのかばん はっこつしたい
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屋上に丈夫で錆びない竿ほしい一円玉 億 溶かし固めて
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言の葉は 春の光のぬくもりで 冬の終わりを告げにきました
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生という 病を希釈するための 愛とか恋という名の劇物
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まだ行ける 自分の腹に 言い聞かせ 最後の足掻き 入れジーンズ
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人嗤う “あの人本当にブスだよね。” 鏡を御覧。 アナタも同じよ。
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陽の当たる 道を歩いた はずなのに 縫い付けられた 陰と寄り添う
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剥き出しの 思いを僕にぶつけても良いと思えたなら 光栄だ
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「ひとりでは 生きていけない」 とひとりで 立ってる貴方は美しかった
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代替品として〝誰か〞を選ぶこと きっとわたしは 耐えられないよ
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これからの続きを知らない今はただ振り返る君を忘れられなくて
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これから続きを?いやもう良いよ今はただ、振り返る、君を忘れられなくて
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溢れそうな揺れ方で曇りの春の海、空の光の色は優しい
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あの人の 言葉に振り回 されている ﹁女﹂の部分が いけ好かないのだ
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﹁卒業﹂と お騒がせ者の シンデレラは ガラスの靴履き いってしまった
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アイロンで直せなかった癖っ毛も今日は一緒に連れて行こうか
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この肉塊、まあね、そう言うお前らもさらなるその一部分なんだが
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『お返し』に悩まされている 「どれにしよう」ではなく「どうしよう」の方
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暖かい風とか吹いて花咲けば  しょっぱい春は勝手に終わるよ
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ここにいる わたしはここにいるんだと 叫び続けるためだけの歌:∥
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ひとりしか 入っていない この部屋で 蠱毒のように 煮詰まる孤独
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どれほどの 覚悟を持って ステージへ 恐れ入るよ、と 垂れてゆく幕
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幽玄の霧の底にて我一人 文字や恐ろし「猪谷」いのたにの駅
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軌道遥か地鳴り響かせ双灯が300km/h三百キロで足下抜ける
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優しいと小心者を間違えず大人は黙ってロキソニン飲む
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心から どれだけ貴方を想っても ただただ私は ゆびをくわえる
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林から冥府の王妃さらわれる還らぬ限り冬は居座る
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