ママチャリの後ろの籠を取っ払い二人乗りして夕焼けめざす
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暑さにて目が覚めた時夜更かしをする君に言う「お休みなさい」
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鯨ともくぢらとも違ふクヂラなる生きものに似合ふおほきスマイル
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空を飛ぶクヂラはきつとスマイルを世界の人にふりまきてゐる
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星を喰み月を喰みまた夢を喰むクヂラの歌はとりどりに映ゆ
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日に三度腹くちくなれきび団子 棒に振るなら犬のヘソ天
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孤独だが仲間と共に生きている一瞬にだけ解き放たれる
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ワクワクとドキドキがある世界にはニセモノもありホンモノもある
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靴擦れをにらんで願う 来世こそカルピスウォーター似合う女の子
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目指すのは日々生きるための歌? いや 日々そのままに共にある歌
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羽が無い人が空を飛んだのはおそらくきっと羽が無いから
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とりあえず寄せ集めでも編んでみよ 僕は僕のベッドで眠る
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明け残るあの宵逃げてスプーンの先の滴るハチミツに触れ
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手に宿るあざの蒼き満月を帯びつ踊りつ僕を僕と成す
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時の間に あのね、たぶんね。テトラポットに藍が溶けてる
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壇上でおられた紙を広げてく  テトラポットにならんだ、春へ
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おくすりの袋をかざす はやくこの街から出たいスタバないから。
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大丈夫と理屈ではなく意思として夜空に言えば語りだす星
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大丈夫とただ穏やかにわが内の小さな星の欠片と話す
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大丈夫といまは聞かずにいて欲しい寄り添ふ夜はただそれだけで
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涼しくて最高だぜいこの部屋はこういう至福を共有したい
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キャッチボール君の声は遠ざかり君の声は近くなる
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「働く」が掘り崩されたこの国で生き延びるには「ライフ」に軸を
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今はもう君のことだけ考える。それしか私、できることない。
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‪いつのまに気づけば「オトナ」になっていてサイコロの目は振られ続ける‬
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パレツトにとりどりの青を置きてゆく彷徨ふ気持ち静むるために
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濁り来る青のおもひを汲みたがへ闇へとつづく昏き海の絵
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あかよりもなぜあをなのや濃く薄くこころをひらく青の水平
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やがてあをは聖なる声をもちそむる空と海またゴツホの青へ
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鬱を呑む青にひつそり包まれて眠りてしまふ沈静の底
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