まだ寒し春は今年も遠いけどミミズが動く土は温いか
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この気持ちを 喪失感というには 手応えが あまりにも無さすぎて まだ敬意はあるはず
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ぼんやりと生きていれたらそれでいいサプリメントを飲んで眠った
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伝えたい言葉は捨てて空き缶を読む「ブドウ糖果糖液糖」
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昨日から掬いとりたる青色のゼリー、街灯、濡れている猫
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ぐーぱーと白い乳房を握っては雲より遠いひとを想って
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キラキラとこんなにたくさん積み上げて この楽園は瓦礫でできてる
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やわらかくいったつもりのつらいねが影をささせたキャンドル灯す
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強く強く握った右手痺れても夕陽が観てるから離さない
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咲く桜始まりの日は完璧だ世界全てが君の味方だ
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(25)が目に留まり じっと その数の重さを思う 私とおなじ
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春雨の うつむく先に 花筏 数限りある らぶ あんど ぴーす
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誰がために花開くのかと尋ねても 応え返らず風に散るのみ
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46個の絵の具を片手に透明な今を睨み悩むの
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まろやかなシーツの波に思うこと、やっぱりライターと名乗りたい
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身の丈の五十センチのみどりごもいつしかわれに肩ならべける
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カラオケで告白してもいないのに振られた歌を選んでしまう
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弁当の上の梅干しみたいだねお飾りとして連れ回される
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正しても正しても正しきれなくてれとねをいつも間違えている
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スーパーのシュークリームで満たされる満たされてしまうぼくらだった
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園児らの「如来大悲の恩徳は」こゑをさなくもうたひけるかな
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清明のやさしき雨につつまれてさくらさく村はるかにけぶる
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汚くておぞましいほど愛おしく絡みつくのだろういつまでも
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あぁまるで舌が拒むほど甘く濃いオレンジジュースみたいな恋だと
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酒短歌 作っているということは はい そうですよ 断ててませんよ
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恋衣おもひおもひに染めなしてさくらの下の愉しきうたげ
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春宵の artistic芸術的に照らされた 桜は斯くも、 artificiality紛い物に見ゆ
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交通は不便ですけど人気です砂丘コテージ地底深くに
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花便りとどきにけりなたれこめて春のゆくへも知らぬわが身に
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あんず咲くローマの春の謝肉祭やそのちまたにあへる子や誰
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