まっすぐに羽ばたきもせずゆっくりとギラリ陽彈きたぶん白鷺
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親だって弱音吐きたい時もある やる気スイッチ連打してくれ
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cabaret london 滅後の愛をいつわりし女主人のヒールが高い
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フカヒレの前でつらいと泣く女 俺の金でする別れ話
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久々に読みたい本があったから 週末新幹線で帰るね
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G線上のアリア 頭の中でずっと鳴る 何かの啓示なのか…
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飛んでやろ 喉を振り絞り 出た言葉 飛び降りるのか バックれるのか
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いま家でことば通ずる者はただお前頼りだ猫のチビスケ
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奴隷から開放されてハッとした友人すべて断たれていたこと
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獄死せし友を弔う夕照のごと枯れる向日葵に咎をかさね
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厄年の同窓会に行く事も許されず嫁と言う名の奴隷
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恋愛を詠むには必要不可欠な恋愛できるヒトらしい暮らし
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異常気象人間により作られた自覚を持てぬ国がまだある
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そこにある?ここになにかが潜んでる?腹にエコーをかけられ憂う
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盆過ぎて誰も居ぬ墓墓地山にみんみん騒ぐ鳥が鳴いてる
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汗をかき乾かぬ肌とシャツに処暑を過ぎても秋は感じず
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青空に白い雲ぷかぷかぷかり音だけがするヒコーキさがす
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フレームの中 柔らかに笑む母に いってきます! と 幼き日のごと
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真夜中に ふと目覚めては 寂しさの 風吹き抜ける 心持て余す
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宵帳茅蜩かなかなと鳴く樹々を背に泣けない虫を愛しく思う
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この残暑に「煮物がしたい」と母が言ふ 「熱中症」と単語で返す
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疫病に蝕まれし日通り過ぎ社会復帰!とシーツを洗う
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2割引きの菓子パンで朝をはじめたる 味は割引になってないから
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言えぬこと言い足りないこと胃に収め大和撫子のふりをしてみる
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ソーダ水 氷の隙間泡の影 みどりに浮かぶ白い夏雲
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750ナナハンで 八月の砂 駆け抜けし友 入道雲立つ バイクに散った夏
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七夕のかへる衣に風吹けばいとどうらみやたち増さるらむ
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七夕の別れの涙落ち添ひて露置き増さる軒の梶の葉
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渋滞の車窓の子とふと目が合えば 互い手を振る アア、繋ガッタ
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流れさる 景色ばかりを 見ていたから 星がこんなに 増えてたなんて
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