一つずつ 自由が消えて 行くうちに 言葉遊びが 最後に残る
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逃げる夢 多すぎないか 最近は 心当たりが ないこともなし
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同級と比べ落ち込む日々だけど今なら言える無駄じゃなかった
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夏期補習暑くてだるくて眠いけど推しに会えるから今日も靴履く
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使いたい言葉はなべてエロゲーかボカロに既出頁を捲る
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神様さぁ何であなたは人間に風邪を与えたかなり迷惑
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われわれがつらつら溢す言の葉のethical消費としての短歌を
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茹だる日に君の額を伝う汗 追いかけぱちり今、目が合った
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死にたくない でも死んでも思い残す事なんてない それが怖い
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枕元 ポカリ冷えピタパックゼリー 準備できても 眠れぬ痛み
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君が為 夏の夜にて書きつける 便箋の二文字 伝わるといいな
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夕立に濡れる風情もまたよしと友の墓前で長く佇む
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寄生者が宿主に死なれると困るという意味で長生きしたいです
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ガラス越し息をひそめてどしゃ降りに閉じ込められる水槽のなか
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そのために買ったのではない筆ペンで最初に書いた「お花料」の字
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どこかから 響くよパラが 始まると 体は告げる 酸素がないと
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今までは 意識していない ことばかり 新境地に着き 月は明るい
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調律を終えたピアノは佇んでトリル揃わぬ僕を見つめる
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もし君が星になってもザリガニになっても気付かぬ僕であろうか
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青天がプールの水面にぐらぐらと満ちて世界の不確かさだな
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光あれ あるいは君のつま先が花を散らさぬ明後日であれ
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帰宅して 玄関前に 落ちた蝉 私も死んでしまいたい
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疲れたな。口に出してはみるけれど 家事を変わってくれる人もなし
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ヘンゼルとグレーテルとは違うのでてろてろと血を垂らして歩く
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あなただけじゃない。そんな言葉は何の慰めにもならないんだよ。
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鵜っちゃんが羽をひろげて乾かして お前も来いと兄貴づらする
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暗き世に 明るいあなた 目立つよね 薬剤師より ナースが似合う
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夕方の ニュースはいつも 同じよう 感染者数 またまた増えた
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淋しいな 生まれる時は 母がいて 死んでゆく時 誰がいるのか
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年老いた よぼよぼ爺 今日もいる 橋のたもとで 何かを見てる
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