追っかけて追っかけてくれ座り込み追われてないと動けないから
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寝付きには効かなくはない呼吸法息止まるまで吐ききれば即
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若者に人気あるのは一過性桜蕊さくらしべふる路地の稲荷社
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嘘をつくキミの言葉に気づけども 騙されて聞く私も嘘つき
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宿とせる青葉隠れの遅桜鳴きて知らせよ深山鴬
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雪とのみふりし都に春暮れてまたうらさぶる志賀の花園
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セキュリティクリアランス後ろめたい者等が反対をする
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くはへたる石を出口のそばに捨てまた穴に入る蟻もをりたり
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お互いに右に避ければぶつからぬ何で左に避けるのだろう
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公園の芝生のうえにきらきらと光をあびて落ちる花びら
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羊より快眠ヨガより薬より睡り誘う般若心経
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歩くことをやめた者から脱落ですそんな僕らはマグロみたいで
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絶対にさかなになってあの海であなたとひれをすれちがわせる
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ステージを離れた後も願わくば 選んだ先の光の中で
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生きていくことのバカバカしさがある受け流しながらR-1を食う
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「人よりは花、花よりは砂」などと大声で言い出さないように
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人体の見分けがうまくできなくて、暗殺とかは無理だと思う。
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「すみません。目が悪いのであの桜、何かのボカシにしか見えません。」
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同じ春でもないくせにまた来たというような顔をして来やがる
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自転車の重みに耐える筋力よ遠き日の脚ふとももはるこ
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精神科、予約診療あすの昼 バス代無いので晴れて下さい
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帰宅して猫に伝える今日の愚痴 嫌そうだけど聞いてはくれる
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四十で逝き二十三回の年を重ねて今日誕生日
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儚さの輪郭なぞり生きていた 宇宙そらの向こうに解を探して
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俺ピクミン片付けしないし怠惰です蚊やダニすらも俺に噛み付く
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「あるだろう」一番中の電子殻がその判断でKと呼ばれる
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ヘルメットかぶったままの姐さんがレジに並んでカッコいいぞと
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一歩目のあやまち犯す冬の夜は鍵盤ピアノ伴奏「月の光」
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君いればなんでもなかった玉ねぎを切れば今日は目に沁むひとり
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先週はあなたが立った場所だった 私もここで背筋を伸ばす
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