ひとりでも生きていくって決めたから 決めたからなに? 決めたから生きる
0
中指の 先にともされ あおきひかりはかげろうのなか 思ひ出に
1
目隠しをされているので仕方なく舌でおしえるさよならの味
2
おそらくは 拒まれない とわかってる でも届かないのも知っている
3
少女らの「恋って何?」 の問答に 「愛されたい。よ」 と歌う十字架
0
焼き上がるパウンドケーキの傷口に 歌を少々染み込ますなど
2
時間外労働反対!コボちゃんも夜に読まれて眠そうである
5
女の子らしいね、だって。 あなたって愚図でかわいいほんとにかわいい
2
夜、赤い11ミリに火をつける指先ばかり思い出してる
3
また明日、また来週、また来月、また来年も一緒にいようね。
1
嬉々としてあなたが語る内容は、私をいつも置き去りにする。
2
「いつまでも」なんてあるわけないのにね。 でも今がずっと続けばいいのに
1
難しき専門用語説きほどく声キラキラと冬ざれに射す
2
噴水が上がって 見えないきみが言う 「2月になったらザアザアザアザア
1
咲かなかったカーネーションは銀色の夜のどこかで幽霊になり
2
毒殺を期していたのに下流ではほどよく薬に薄まったとか
0
アルバムの写真が途切れる瞬間は足跡をつけたいほどの白
5
おすそわけ 友にもらった 梅干しは とても酸っぱく 口をすぼめた
0
透明の グラスにそそいだ ソーダ水 弾けて消える 炭酸の泡
0
五分おきに鳴り響く電子音 昨日の自分に舐められている
3
朝弱い 私にとって 救世主 明日も助けて 目覚まし時計
1
冬星座 手を継ぐ姿仰ぎ見て 逝く人思う いずれまた会お
0
極太のペンの四角い断面の縦か横かは私が決める
2
朝だなとつむったままで言う君の 肌が綺麗で顔をうずめる
1
夕まぐれ 昼と夜とが溶ける空 しんしん光れ 冬の三つ星
0
あたたかいあなたの声はみぞおちに 気持ちがいいわ これは恋だわ
1
かっこいいつもりか黒のマスクするヤツと僕にも同じ雪降る
13
背の高いあなたの全部を焼き付けよ あえて二、三歩後ろを歩く
2
ああ、指がほどけてしまったもうこれできみとは最後会うのも最後
1
ガラス玉 中には気泡 ふわふわと まるで一つの 世界のようだ
1