恋人が誰のものでもないことを知っていたか(ええ知ってたわ)
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うちの嫁 奥さん妻と 使い分け 君はそんなに器用だったか
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ていねいに 敷いたはずの白シーツ あなたの紅きネイルで乱れる
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ほか弁の 主役のおかずに 隠れつつ いい味吸い込む パスタはズルい
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先輩に「ありがとう」って言われるとどちらが先に老けたか思う
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窮屈な太陽系から飛び出して再構成をしようか宇宙
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一日で一つのものを作ること、それは私の目標となる
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人知れず咲く花もまた春の花桜の下で主役になれずに
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寝る前に自分のつま先じっと見て 今日も明日も見えないでいる
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「線路沿い白い木蓮」それだけで キミには分かる待ち合わせ場所
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離れてるあなたと私が住む街は 世界地図なら重なった点
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小1の就きたい仕事1位「警察官」 キミもそうだった?いつか教えて
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この駅で 何度キミと話し込み帰りの電車を見送っただろう
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「さぁもう」思うとひょっこり現れる 歳をとらないあの日のままのキミ
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入社式入学式のニュース見てみずおちあたりキュと痛くなる
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そんなにも悪くもないがいや良いが喧伝はせず老境に居て
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天体の文様刺した全身であなたを抱いて独り占めしたい
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永遠にずっといっしょにいようねの誓い ぼくはほんとに守るよ
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春だろう?霞んでみせろよ少しくらいうつむく先に切れそうな影
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新品の キャッチャーミットに 手を入れて まだ固いねと 君はいい
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散る花はまた来む春を契れども見つるわれこそ明日も知られね
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「良いですね、可愛いと楽で」膝の上の猫に拗ねてる君が愛しい
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短歌でも絵でも写真も食う術もこれより行けぬ下手の壁ある
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「さみしい」と心の隙を見せたなら蒔く種をくれる人はいますか
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「なぜ生きる」ってあったよね ふと思う 生きるんじゃなくて生かされていると
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ピタッッと自転車チャリに2人乗り 走る道 街並みすべてが虹色に変わる
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この身体からだ彼の想い出で できている 私の主成分は彼!
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目覚めたら陽光踊る虹硝子 嗚呼、毎日がこんな朝なら
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涙ぐむ新社会人になれぬ我のうたよむ指に、さくら、ふれる
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中学の不登校ぶりのかなしみよ新社会人のスーツ眩し
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