カーラジオ かなた師匠の名を聞けば 必死で真顔 春嵐の日
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轟々と猛き風受く買い物は怯む両足檄飛ばしつつ
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春風と 花と線香 缶ビール 供えたエビスに 亡父ちちも笑顔か
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柔肌の 双丘そうきゅうの奥の 脈打った 脆い心の ソコに触って
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春嵐 澱む政老 吹き払い 刷新若き 正義もたらせ
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よく噛んで食べなさいねと ねこに言い いい音だねぇと ほめて育てる
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春あらし 悲鳴の如く風唸り 母の買い物 今日は止めよう
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脅されて黙ってしまった薄暗の 庭を歩けば満月の匂い
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色褪せない言葉を探す 平易じゃない フルカラーで
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火傷みたいな過去を辿り 触れる柔肌
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だから 僕らは、シュガー・マウンテンの外に出よう
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息苦し蒸し釜の夏もすぐ終わる 冷えた素麺呼吸すれば
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沈む夕陽と古いフィルム 解釈違いのニューシネマパラダイス
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世界中を飛び回ろう 呆れるぐらい 僕らはスワロウ
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古生代の菅推目 泳ぐ浅瀬のディープウェブ
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屋上に吹く風 必要なのは飛ぶ勇気だけ
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胸に飾りのスターマーカー 出来損ないのハリウッドスター
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開けたてのコーヒー時間をかけ淹れるほらいい香りまだ大丈夫
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太陽のフリをしているタンポポと雲綿毛の緑空(りょっくう)寝転ぶ
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御猫様どいて下さいダメですか それでは掃除は明日にします
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自販機のゾロ目に吐いた 安堵感
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夏の日に 置き忘れたのは ささくれか
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反抗のこぶりの歯形じんじんと 何度もながめるひとつの勲章
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屋根に猫漫画のような光景を仰ぎ眺めるいいもんみっけ
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関節や皮の弛みの凸凹を辿って描く在し日の君
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天露あまつゆけて舞う君 春の草 垣間見し吾 今日の裏庭
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深更には 鳴らぬ音聞こゆ刻がある  天女の衣や 天上の湧き水や
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あかいろが ぎゅっとつまった苺の実  摘まむ幼子の まなざし愛らし
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彼岸より此岸へ戻る道すがら 『ラストショー』さよなら、ボンネットを叩く雨をふと口ずさむ
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南洋よりかえらぬひとはこの森で稲穂の海を夢にうつした
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