気づいたらずっとわたしのそばにいたテディベアたち愛らしい顔で
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地元駅ふと思い立ち降り歩く知ってる道と知らないお店
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祖母と孫 言葉遣いは 雑だけど 手繋ぎ渡る 横断歩道
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きぬた歯科の看板までが都会です  N H Kでも言われてました
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いたずらにボディーシャンプー泡立てて投げつけたよな秋空の雲
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「麦茶には いい思い出が詰まってる。」 そんな気がする 残暑のベランダ
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Sdgs唱えるあの子のco2 今日もどこかの緑を肥やして
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小説で視界は塞いだ音楽はただの耳栓マスクをかける
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枕から流れ出ている黒川面くろかわも眠るあなたは溺死体
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買い物デー 新作、限定、季節物 浮き立つ心と飛び出る青ネギ
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死にたいが最後の言葉君の背に 車は追突 幸せですか?
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旅人の急ぐ野道に日は暮れて尾花が末に月の掛かれる
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手を挙げて招く芒の影よりも男心をそそる白はぎ
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玉響たまゆら黑紫くろむらさき白露しらつゆの おきて照り映ゆ けふのあした
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朝のもとが水平線の一点に吸い込まれて朝日となりぬ
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母の作るレンチン茄子を待ちながら お昼のカップ焼きそばを悩めり
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透明な時の流れの中にいて魚のように泳ぐきみ何?
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ひじきにて だいずみずにを きょうはいれ 小学校の︵四十年代︶ 給食定番
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君とよくチョコパフェ食べた古い喫茶店コロンビア 青春の欠片 またひとつ消え
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熱海駅 出てすぐ迷子か我が友よ 私は君らの保護者ではない
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ブルーチーズを齧って 苦い顔する前の君。 今では君も物好き。
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いざ出陣 ホームパーティー 初めてだ 社交力は フルパワーでね
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「なに川か?」 見知らぬ川だが 美しい。 詠むため問おう。 「なに川なのか?」
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車内放送 注意多過ぎ聞いてない 子への小言と同じと反省
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九十九の先を知らない子供らの九十九で時が止まる校庭
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飛行機の様に見えたかこの眼でも宇宙ステーション見逃す夜に
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珍しき 長月半ば 祭礼と 神輿担ぎを 大塚で見ん
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書物をば 積ん読にして 砦にす 五畳の書斎 わが祖国なり
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予定表 来週ちょっと慌し 珍し頼まれ事の(猫)シッター
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「頼るのも大事だよ」と言ふカフェオレ けれども頼りまくりのこの身が
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