かいものが まえのリストで  二度買った つけもの四つ ヤクルト八本
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哀れなり 桜並木も 風のも ただ影として 潤せずして
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雪ひとつひとつに名前つけてみるジョンは地面に触れ消えてった
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明日来る 雪雲たちよ 被災地は 避けて通って お願いだから
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夜空では見えぬ初雪 日暮れ前 ひとひら舞って 雲が早いね
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薄雪を転がし子らが作り出す ダルメシアンな雪だるまたち
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牛乳の賞味期限とにらめっこ チャイに倍量入れてメデタシ
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たまのこと 縫い物などをしていると ねこがガン見する キンチョーするわ(苦笑)
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忙しなき吾がこころもちは駆け足で十六ビートを刻んで踊る
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ないしょだよ 実はわたしは天使なの 屋上から飛んだあのひとは笑う
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チョコレートクリームと混ぜたわたしの愛 もう原型をとどめていない
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だれしもが特別でなくなったから私は私の椅子をつくった
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三途川でガラスの石を積むように いたづらなれど文学をする
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舌の上でふわりと消えた綿菓子が どこかの街に現れたらしい
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いっぱいのロマンティックをあげましょう 在庫は多く残っております
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動画じゃなく「分解写真」見てるよう成長階段上る孫たち
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明日降る 雪に備えて 小豆炊く 雪かきの後の 汁粉想って
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みな底に泥があるのはあたりまえ水面みなもはひかる精一杯に
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だんだんと「ママ」にまじって「おかあさん」子から呼ばれて何故か寂しい
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下の子が熱出し今夜はふたり風呂 いつもよりややはしゃぐ長女と
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もういない 君の姿を 想う日々 脳裏に過ぎる 涙と笑顔
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トイレより広い居場所も欲しいかな アンモニア臭をすいこんでいる
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誰の為?私の為に決まってる まず取るべきは私の機嫌
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人生の絶頂だとて底だとて澄まし顔しか見えない他人
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故郷ふるさとの懐かし言葉短歌うたに見て雪の暮らしを思い出したり
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馴染みある名前を訃報で聞くたびにひとつまたひとつ昭和が終わる
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明かりなき洗面台に唾を吐く トイレ掃除は昨日しただろ
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寒空に歩行器停めて体操す おばあちゃんに感服しきり
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「すみません!」思ってないけど 知らん人が私にぶつかられても知らんし
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すまし顔でたばこは吸はぬと答ふるも男の手には加熱式たばこ
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