たましいが付いてくるのを少し待つ高層に着くエレベーターで
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ちょっと好きポツリと来そうな空の日の濃くて深まる草木くさきの緑
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さまざまな港を船が寄るように猫が日陰をめぐる真夏日
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水切りで回復をする花ぼくも過去を忘れて生きながらえる
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降る雨といっしょに傘の水玉も抜け出しそうな午後休の街
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木漏れ日の模様になってすこしだけおなじ種族になる犬とぼく
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赦します だからわたしも 赦してね そう言える日は永遠にずっと来ないが>亡き父へ
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巣に帰るからすを見れば泣けてくるどこをねぐらの一本刀
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贈る父もくれる子供もいないから墓前に紫陽花手向けてこようか
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厄介と億劫とかの言葉しか出てこぬ今日も予報真夏日
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モフモフの背を撫でふぁっと軽くなるポジティブ思考の日曜の朝
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父に酒送ると母に伝えれば 水でもいいから一緒に飲めよと
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長い夜 雨が降り出し 目が覚める 梅雨の訪れ まどろみの中
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八戸はちのへたて』知るわれ海鷲うみわしの父宿りしか 不意の落涙
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海に浮く ロードコーンは やすやすと 禁止区域の ロープを越えた
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公園の雀を追ってどこまでも 走る五歳の影の愛しさ
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人の世の 喜怒哀楽のパーセント 喜と哀浮かぶも その他わからず
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少しずつ社会を知って意見する 逞しくなった娘の言葉
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心なか 生きてる君を想像し 大きくなったな、 おめでとアルト
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利根の月思い出さすな捨てた江戸提げた徳利に涙が落ちる
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紫陽花の 向こうに見えし 白き母 優しき微笑み 白衣観音
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全方位警告色で鳴るブザー一線越えるむせかえる夜
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モブの海漂うクラゲあなただけ見つけてくれたポッと発光
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薄情なあなたはきっと知らないわ涙で割ったお酒の味を
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紫陽花の恥じらうよに咲き始め また今年もか梅雨の始まり
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見納めの月も泣いてる赤城山降りてどこ行く男忠治よ
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断捨離を熱く語った友のいて 吾に残されし時思うカフェ
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水張田に佇む鷺の美しさ心のなかで切るシャッター音
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五歳から父の無い子で生きて来て祝い方とか知らぬ父の日
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小庭にも蝶きて翠に包まれる嬉し哀しを花とささやく
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