なにもかも消え去るのだわ、Tミノをねじこまれていくように下から
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レポートを出すためだけに大学へ今日は一日二十二時間
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エアギター歴の長さでは勝ったがエアドラム歴では負けている
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日曜日を週初めと知らぬまま生きていけるのは何歳まで
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無垢だけで 踊り続けてられるほど 幼くなくて 前髪を切る
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目に見える傷はもらえなかったので 可視のものくらい くれてもいいでしょ
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その影は俺とおんなじ 永遠の夜にみかづきふたつが浮かぶ
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落とし穴は 深くて出口が 見えません 光が無いのは 辛いものです
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恋という 落とし穴が ありました 僕はそこに 落ちたのです
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異次元へ繋がるうちの洗濯機 片方だけの靴下は行く
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あの夜に腕に抱えた温もりは僕だけのものであると思うこと
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ハチロクで 千葉の峠を ロックオン グリップ足らぬ 出回り悪い
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趣を放ちつづける詩集たち破れた帯のささくれまでも
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積み上がる 来るかどうかも不確かな きみに捧げたりんごのカード
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うすっぺらな紙ひとつでは思いの陰り消せもせず可能な孵化を
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iPhoneを見つめる僕を見つめてる僕より僕の好み知るこれ
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毛羽立ちを撫で合うような恋だった 抜け落ちた羽 見ないふりした
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音楽の教師になれず今はただ焼くか茹でるか卵見つめる
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今はまだ無謀なほどの夢掴む手は手袋にしまうけれども
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なんだっけ夢で作ったあの短歌街がどうたらあの子がなんたら
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踊り場で汗ぬぐいまた登りだす祖母の背中をそっと支えて
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虹渡る順を僕らは知らねども日付の古き卵から割る
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個室から出てきた母と入れかわるとその便座のなまあたたかさ
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ギャグマンガ日和で明日の歴史のテスト勉強してる午前二時
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ためらわずロマンティックに浸りたい慰められる流れ星みて
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風が吹き鈴が勝手に鳴り出した 恋よ 恋が今はじまったの
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雪が降ると小窓開けて見る君のまぶたのうしろ すでにちらちら
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暇になり父の後ろをついてゆき喪服着たままコンビニへゆく
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オーディション落ちたあの子に動揺し手を抜いた午後 そんな青春
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眠るのがもったいなくて短歌詠む明日あすは昼まで眠ると決める
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