対向車一台もないこの街に はためいている宅急便の猫
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冬はいい汗もかかない虫もない なのになんだねこの天候は
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遠い春あなたに会ったその日からぼくのせかいはおかしくなった
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叫びたい 蠢く言葉が 俺を囲う 四十路のヒップホップ なめるな自分を
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「ここおいで」君の居場所はちゃんとあるって言われてるみたいステキな言葉
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散歩中 一粒の雨 目に入る 手術の傷が 治らないのに
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強い風 追いかけられる 夢を見た 不安なんだな 退職したら
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シランまだ土をかぶりて夢みてる 赤紫の細き舞姫
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春の庭 梅に羽音はみつばちの 香りの漂うブンブン喫茶店
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離れても永遠とわに心は繫がって それでじゅうぶん私は幸せ
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いいね横 いいねの特大あったなら迷わず押すよ心を寄せて
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起きてから家出る時間に比例して会社行きたくない気持ち強まる
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あのひとは来ない器の片方で静かにロゼの酸化は進む
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聖域のない改革が訪れて街から声がいくつか消えた
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うつうつと薄い眠りと夢のあり 布団の迷路午前四時頃
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隠しても隠しきれないうつろな目 図書館に棲むホームレスたち
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如月の積雪ゼロに老妻は自転車でピュ~と買い物に出る
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朝のマグ 白い取り皿 木のナイフ 気づくと同じ 日々の顔ぶれ
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眠れない夜にあなたの声を思い出すから だから眠れない
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思考さへ割れたくす玉のようにはらはらと散る毎日のこと
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わたくしと一緒に地獄へおちてくれ 恋とはおちるものなのだから
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ドアを開けて。風の強さに足が止まる。夜が深すぎて出られないまま。
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「取り壊し」の立札かかる廃屋に的皪てきれきと燃ゆる梅花のほむら
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お互いに 求め合ってる ことはわかる 距離はそれを ただはばむだけ
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「おかえり」と私を迎えたぬくもりは つけっぱなしの電気毛布で
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歯茎出すあんま上品じゃないってさ 知ってるけど君も笑うから
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レコードにならない作詞家は今も夢を見ているいつも青春
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貴女まだ気づいてないだけ 何色のリップつけても最高に美女
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楽ちんのネットスーパー難しいスマホ音痴は最近やっと
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手紙書く癖一番にお義母さんしつこいこれはもうラブレター
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