レコードにフィルムカメラにこだわって時代遅れのしつこい古希だ
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部屋中のきみの痕跡打ち捨てる 得意料理のレシピ残して
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音痴だとひとりカラオケおすすめで森進一にさあなりなさい
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歯医者さん大嫌いでも帰る時また予約してもうイヤ余寒
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美しい調和世界のオザワもう天国魅了して永遠に
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町中華旭亭まだ五十年昭和面影色濃く残し
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たらの芽の天ぷらを食む油気の後に口を通るすずしさ
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次の予定があり終わっても悲しくはない春になる花が咲くから
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心の中にあった氷が解けていく古希になりまた初恋をして
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麦茶なら水出しが良い買い足しも軽いのが良い体重いし
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自由にはお金が要ると教わった生活保護に贅沢は無い
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おいそれと春は来ぬとは知りつつも明日のためにと花がらブラウス
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生チョコの角がまあるくなってるの、君の心の形と似てる
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にしん蕎麦骨までやわく食わせると鼻骨柔そうなおばちゃんが盛る
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きっともうきけないきみのソプラノの声 いつかの青い春のなきがら
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シャツごしに透けてみえてる君のひみつ いつか塗り替えてみてもいいかな
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あわてんぼの春がほんのりはやあしでわたしに花粉を運んでいらした
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人は人 同じ景色も それぞれが 違って見えて 違う感想
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名も知らぬ星に向かって叫ばんか涙の置き方忘れさせてよ
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恋をして はじめて私 気付いたの 空に煌めく 星の多さを
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マイクもつあなたの背中流しみて揺れ動いてる恋とまごころ
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老婦人 歳を重ねど 女の子 セーラー服と クレープをともにす
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聞き慣れぬ イントネーション 可愛げで 東に染まるな 知らんけど
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窓硝子 叩かれ出会う 春一番 通る人の 聞く夕月夜
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菜の花は希望に光る色を見せ暗い衣のわれを嘲る
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バレンタイン、自分の好きな板チョコ🍫で、自分におくりました。
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両肩に載せた速度と重さからひとつの解を繰り出してゆけ
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とりあえず今日は春だと喜ぼう 春一番にコート預けて
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「ちゃうねん」も「知らんけど」さえ使えない 笑って聞くから良しとしてくれ>心はまだこうべっこ
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鳴く鳥の聞こゆればわが顔向けて見ゆるはしかし白き梅なり
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