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俺と見た景色をそのまま切り取って小瓶で流す手の清らかさ
0
ゆびさきのきれいなビームを逃してもフリースローが決まったズーム
0
或ひは唯 惑ひゆきたし
落葉松
(
からまつ
)
の林の香気 肺沁むひかり
1
あなたから思いもかけず花束を 天気はいつも三寒四温
0
レンドルミン ビタトレールに マイスリー 眠たくなるのを あとは待つだけ
1
何がそれ 大事なのかと 相問ひし 気圏に生くる ひとの哀しさ
0
大嫌い。行けたら行くって、雑返事。 それしか言えない、今がその時。
1
夜八時 ボーナス・タイムの ランデヴー 立待月は 目覚めたばかり
0
列を成す、子供等の傘クルクルと。 雪降るリズムに合わせる輪舞曲
(
ロンド
)
。
1
僕にとり祝福された産声は十六年の歴史となりて
5
月よりも 街の灯りが 眩しくて 刹那だからな ひとの営み
1
ここにいる わたしはここにいるのだと 叫び続ける まっくらな森
0
ささくれを突然ちぎるように去る ちいさな傷がいちばん痛い
1
目が合って、好きだと気付き思い出す。 私にはまだ、恋があったと。
1
ふと、父の 声聞いたよな、京王線。 涙よ勝手に流れてくれるな。
3
2と0と2と1たちが踊ってる 僕はどこかに置き去りだった
0
死ねないな 遺言になるかっこいい 歌がひとつも 作れてないから
1
腑
(
はらわた
)
が痒くて腹を掻き切ったクランケのいるイチマルニ号
2
泡沫の意味が膨らむ空間で泡沫を詠むことの困難
2
一月が終わる速度が早いので来週頃には三月かもなあ
0
思い出は良いも悪いも青色に詠んでしまうと呆気ない春
6
こだわりは今出さなくていいんだよ。 君の美学はどうでもいいよ。
3
きっとまた この身を裂かれるのだろう そのかけらから 歌が生まれる
0
君は言う「呪いと恋は似ている」と 憂う瞳に映る満月
3
衣剥ぎ私がわたしになる時 生
(
せい
)
の香りがわかるのかしら
0
多様性、平和、差別、いじめ、とか、解決できずに喜ぶ人々
0
ふわふわにくっつき虫を携えて 豊かな尻尾我が顔を撫でる
1
回転やゆらぎをうたうあの人も夜には暗くうずくまるのか
4
透明なスマホケースにメモ書きの付箋がはさまれ
二日
(
ふつか
)
が経過
0
君にどう思われるかは知らないが、私、抜き身の刃物でいたい
0
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