日の入りが、早くなったね 雲に残る ピンクの夕映え あしたをおもう
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人の山 お礼参りも ひと苦労 パワースポットの名、伊達じゃない
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神無月 迎えてもなお 残暑あり 地球沸騰 現状を知る
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ひとつだけ ピアノの音と歌声に 浮かびくる ロックはいつも 心の中に
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メロディーがゆるりゆるりとほどけきり静寂しじま満ちたりさきオルゴールにより
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その地にはネフィリムがゐた 墜とされて打ち滅ぼされわたし堕天使
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何もかも 消して終わりにできぬから 消えるしかない どうせひとりだ
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悪魔崇拝せしクリスチャン天使崇拝せし悪魔を笑ふ
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未来キミ見たい 想う自分と 消えたいと 思うふたりが シーソーしてる
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秋雨よ 汚ないこころ 頬の露 ともに流してくれぬだろうか
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躓きてドアポケットがレグホンの白色鶏卵皆砕きをり
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見返りを求めないのが子育てで 良く頑張った自分をめよう
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向かい風 負荷をかけるな 老いた母 結界張りたや 偽陰陽師にせおんみょうじ
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母の味真似たくレシピ尋ねれど「適当」と返され叶わぬ再現
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はてしなく分岐はつづきそのなかのひとつの線をぼくらは歩む
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本当の言葉はきっと優秀なファイアーウォールで弾かれて終わり
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やることはあるんだ カフェで紅茶とか 部屋に足の踏み場作るとか
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お昼兼おやつでトーストお代わりし カフェオレ淹れてコーヒーの日を
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カルディのネコバッグ3年前のやつ ミニトートこれで妥協しよかな
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皇帝の死こそ麗しトーガには血のひろごり赤薔薇のごとし
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最後のユダヤ人を死なしめしたれかれも選帝侯のこゑに靡きて
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選帝侯も市民も薔薇も驕るなる国家たる小都市のさなかに
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議事堂の皇帝あやつられるままに驕りの政務官らに囚はれぬ
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入力と 既読のラリー 続くから 寝落ちできない 幸せタイム
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夕映えがセピアに染めるアスファルト時間も音も吸われて消える
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夜道ではリアル案山子に驚いてイノシシに悲鳴 田舎のホラー
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君の名は人とのご縁に恵まれるようにつけたの だから大丈夫
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温かいコーヒーにしよう 豆を挽く君と 芳香に包まれる午後
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思はず笑ふ憎しみにさへ正義の羊はりつきゐて弱きを挫く
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盛大な雷鳴と雨で幕開けた 十月の風に息吹き返す
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