眠りたりない朝だからうたを詠む 消えようとする深夜を留めて
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ひとはこのマスクは急に我々の時給を超えて尊くなった
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君が静かに首を吊るこの夜も明けるんだ ただ いつも通りに
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恋の歌 溶かしたチョコに練り込んだ きみのお腹で 密かに爆ぜろ
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零下二度 子が産声を上げるまで 生にも死にも染まらぬ時間
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息を吐く。震える足で立ちすくむ  私は上手に、泳げるだろうか
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おかわりを茶碗によそる君を見てより甘くなるぶりの照り焼き
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水槽が大海原にみえるほど金魚は凛と泳ぎ続ける
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ぱぴぷぺぽ プルプルプリン とりあえず 言いたくなってプリン食べたい
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意味もなく 不安なのです 震えるほど 抱いて残る 腕の痛み
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くるしいって 今日は何回 言っただろう うめき苦しみ あぁ、また言ったよ
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春までを 夏までにして秋までと この俺にして現在りけり
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嗚咽して苦しむあの子の姿見てたぎる僕を許せ人々
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砕け散った 心の欠片かけらを 集められないまま 僕の心は 擦り減っていく
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木や花や 空とか風や 石でさえ 歌いたがっているものだから
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君のため 何ができる この僕に 秒針こちこち ひとつになる夜
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君誘う 花の香求め この里に 迷い迷いて くちびる重ねる
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言葉ごと刻まれて血を流したらあとは一緒に灰になりたい
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ピストルを試射するときに使われる的のモデル あれ僕なんです
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地面から突き出たビルが下歯なら天のあぎとの途方もなさよ
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昨日から具合が悪いちょっとだけ 青い記憶で手がべたつくの
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ごめんねは狡い言葉と知ったんだ その唇も嘘でできてる
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指先で踊るピンクとゴールドは君に嫌われるための鎧
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返信が 遅いと不安に なるのです 僕のテンション 君次第です
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雨降りも 腐った夜も服脱いで  お風呂に入れば 忘れちゃうから
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君を待つ 十分前の緊張感  十分遅く 出れば良かった
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あの人が元気にドアを開けた時間とき、それが朝です。おはよう、おはよう。
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物言わぬモノが選んだ依り代は 用意されてる椅子より多い
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金銀の 折り紙で作る手裏剣を 渡すくらいが 精一杯で
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こんなにね 悲しい気分の ときでさえ スマホの画面を 息吹き拭く僕
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