いじめとは立派な「全体主義」である アウシュビッツはすぐそばにある
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あまりにも悲惨な学齢期をもしも「普通」とすると普通になるぞ
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「思春期の鬱である」だと? これほどの醜い嘘は類も見にくい
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微睡まどろんで虫の羽音で眼を覚ます 尺取り虫よ 寝てたの? 僕は
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幸せは会えた一瞬 そのあとは醜い想い延々続く
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名前しか知らないきみと共通点 それが単なる視力であっても
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森のなか祈りを拾ひ抱擁すハンカチにつつみ誰に贈らむ
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いちにちに四回はくる九時のため時計の針を倍速にする
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うわごととたへの滲んだ境界にタングステンの切っ先を置く
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真夜中に目覚め少しく時間経ちふと窓見ればしらじらと朝
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水底の悲しみうたふbluesに空のblueもとけこみそむる
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原形をうしなふための冷たさと美しさ持つ氷鳴り来る
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うへを向く空したを向く海うごく起点は真んなか鬱なる鴎
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今がそう全てぐらいに思ってさ生きてみたいよドライブしよう
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「才能をご用意することが出来ませんでした」とのメールが届く
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いつもよりはっきりみえる恒星ほしじぶんで光ることができない惑星ほし
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昼前に刈り払い機の音響く外を見やると一瞬の夏
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部屋の壁思い出飾った写真り一生消えない画鋲の穴たち
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生きる理由?そんなの別に知らないわ。でも死ぬ理由も知らないでしょう?
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灼熱ですべてが焼けたあとに来る機械砂丘できみとジルバを
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目が覚めてふとたいせつなもの一つ眠りのなかに忘れたようで
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足元に横たわるのは命の木 踏み抜く枯葉 死して実る実
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タコキャットTACOCAT逆から詠んでもタコキャットTACOCAT食べてはおいし愛でては可愛い
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ショッキングピンクの二錠は気管支炎に効くらしい、へー、ふーん
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七錠に明日の健康託しつつ色とりどりの薬をごくり
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教えてよ、炭素の針の頂で踊る天使のバリオンと色
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焦熱のインテグラルは増長し 記憶の夏は解体される
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針山の尖頭熱して睥睨し 翡翠の足は砕ける刺さる
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上京をする目的が飲み会とお気に入りのバンドのライブ
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海原の青の孤独は灯台の白き祈りに導かれゆく
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