ねこたちが来られるようにドアを開け 母はねむれり 羊みたいだな
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怠らず努めなさいとお釈迦様忘れた頃に耳打ちしてよ
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しゃくしゃくと可愛ゆし音たて梨食みし 幼な子も早や三十路となりぬ
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いつ買った何故買ったのかわからない積読に見るなじまない本
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枕カバー 父の匂いに似てきたと 嘆く息子に 吹き出す父母ちちはは
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あきめいて さいごのふぃなーれ あさがおの ここに二十輪 あそこに十輪
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今すぐに貴方の前から消えるから、あの歌を聞く度に想って
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別れよう。言い出せずにいる私、それを待つ君。 LINEせんは続かず
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ふた回り縮んだはずの園の池一夜で満杯豪雨のすごさ
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豊水の甘さと白い酸っぱいところ ギャップが良いの 説明できない
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久々の春樹、「蛍、納屋を焼く・・」を、そろそろ秋の夜長始まるね🍂
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かげろふ立つ 芥の広場 草いきれ 廃工場こうばの真昼 誰も居ない夏
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ねこの目の 瞬膜といふ白い膜 ねむたいときは いつもでている
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すす汚れ すす涙が 渇れている。 泣きつくしたよな 記憶もなしに
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偽ものの笑顔を自分で剥いでいき残ったわたしはきっとかわいい
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日差しには夏を残して吹く風の音に驚く秋は来にけり
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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秋風に誘はれ出でて鳴く虫の声聞くよはぞ野辺は寂しき
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丹澤たんざはの あは天霧あまぎ彼方あなたには あかねやし此方こなた みなむ
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全米は泣きも笑いもしなかろう私の暮らし地味に名作
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夏っぽい雲がほどけて秋になり パン屋への道指を絡ます
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「もっと見る」押してみないと見えません 怨嗟も海に靡いた髪も
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乗り込んだ始発の客は眠りこけ終わりと始まりが交錯する
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どうですか歌はお気に召しましたか 世界と同時だと幸いだ
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届かない言葉を胸に眠るより涙の意味を探して生きる
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リモコンを取ろうと足掻いたそのあとは 旦那呼ぶでなく 短歌うたにする我
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君の着るデニムに少し憧れて手に取るスカートかわいいと言って
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まあいいか たまに明るくても寝れる リモコン、ベッドの隙間に落ちた
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ちま猫が 足にそっと乗り ねこ母も ホッとするなり ようやく眠気が
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キレのある大門未知子になれないが包丁砥げば自分の手を切る
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