知らずとも海の色なすひよどりの空の唄ひぞとよみけるかも
5
幸せでいつづけるため努力する。多分死ぬまでそうなんだろう。
11
赤いね、となぞれば赤いね、とあたらしい傷を与えてくれるひと
4
風に乗り 拾いそこねた髪の毛が届かぬ場所の番人となる
3
音源は自転車に乗る怪獣 音痴な花唄はドップラーのせい?
4
気づかない「私」はきっと麻痺してるもう戻らない昔の夢に
9
「首元がすーすーするので嫌です」と 校則違反の黒 まっすぐに
4
青白き秋の月が香りだす ジャズをかけて餃子を包もう
6
君の香を拒絶するんだ本能が 同じ過ち2度と犯さぬ
4
他人の子騒いで転がっていても殴られぬ子よ そのまま育て
3
逢えなくさ なるし抱きしめ帰ろうと お腹キミ通せんぼ 大きくなったね
6
パフスリーブ はやっているか あのアンeも ねだっていたね 百四十年前
8
できるだけ めがねかけない アラガイ派 たとえ「苺」が 「毒」にみえても
17
万歩計 カウントされぬ歩みでも 長く続けと 母見て思う
14
ずーずーと机の隙間で息をするダメな私が見つからないよう
5
わたくしはヒトに誕生うまれて幸福しあわせです 獣血を受ける皿の如くに
2
取っ手ない重い荷物の積み降ろし勤続疲労指先に来る
13
雑草刈り ひっつき虫だらけの夫を 笑顔で労い 鼻からため息
11
愛らしいうさぎの栞挟みつつ 赤毛のアン読む秋の夕暮れ
10
口を閉じ 耳塞げども 溢れ滴る この気持ち 錠剤で穴を 塞げりゃいいのに
6
闇の中 驚き逃げる 猫一匹 お前は今日は どこで寝るんだ
9
拭えども拭えども まとわりつくこの気持ちに なんという名を つけたものかな
10
せり、なずな…は言えるが 秋の七草は 途中で詰まり 本をひらけり
6
物忘れ亢進するも功徳かな既に彼方へ今朝の出来事
10
機械から人になるため金曜は美味しい肉を食べると決めてる
12
知ってるを知らないことにできる君君は全身鷹の爪だね
12
いつの日か思い出すのだ見逃したケサランパサランこの春の
4
調子乗りスマホ決済慣れた頃ポイントカードは財布の中で
6
一粒でほか弁買える褒美チョコ 特別美味いと舌に言い聞かせ
8
さりげなくピンク着こなすお爺さん 来院のたび 我が身省みる
11