あのひとの左目射抜く弾丸になりたい 致命傷は銀色
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エアコンをつけるか迷う二十二時 眠気・空腹・めんどい・だるい
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完全な人のひとつの欠点に生まれたかったドーナツの穴
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悲しみの 湖底に隠せし 一対の 黒真珠ありか 君のみぞ知る
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我々は歩いて最期はそこにゆく 霧かき分けて痛み抱えて
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「惑星の青」と教えた懐かしき君と出会えた旅先の空
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飛行機の無音の調べ天高く青を切り裂くナイフの冷気
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あっけらかんと取り残された休日に口笛はるか爆音の街
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旅先の 穴場の店知る 旅名人 褒めるとそっと B5ノートを隠すきみ
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公園で 砂城を作る 子らを見て 微笑む君は 父に似ている
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身体からはじまる恋があるらしい脱臼したての肩を差し出す
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立ち枯れるきぼうしの薄紫が夏の疲れを吐き出す如く
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窓ガラス打ち破り飛ぶあお鴉眠ったようにねころんでおり
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ありふれた自然なものと愛情を煙雨の様に浴びて育てよ
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いつだって考えるのは君のこと大好きなんだ※君は日替わり 
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そんなこと言わせてごめん 無力だ 私、神様なら良かったな
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前髪を切ってみたけど多分キミ、掻き分ける手を目で追ってたね
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いつの日かすべての人が生殖を「ただ飽きたから」やめるとしたら
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『告白から チューまで何日?』 友が聞く 17日は 早いだろうか?
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日焼け止め 塗ってた朝の 私には 思いもよらない 君の『別れよう』
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君は寝る 背を向け丸まり 君は寝る ケモノのような 叫びも忘れて
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重なりて 一匹のケモノに なろうとも 君の心が 読めない恐怖
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広すぎる ベッドにひとり  きみを待つ  止まる水音すいおん  速まる心音しんおん
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豚肉をトマトで煮込む夜が増えて新入社員は明るい魔物
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Wi-Fiの 機嫌一つで 静止画に 突きつけられる 君との距離を
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願えども 駅までの道は 伸びぬから 足掻あがけ僕らの 牛歩戦術
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一〇〇枚の写真撮れども真実はわたしではない わたしではない
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寒いのに きみが夜風に さらす左手 私が静かに 差し出す右手 
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君は言ふ 『中学時代に ここよく来たんだ』 『誰と?』と僕は 聞くか躊躇ためらふ (府中)
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幸福に 待つも遠くの 上高地 なほ高き山 はばみし安曇野 (甲府、松本、上高地、穂高、安曇野)
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