命得て この世の生涯 終える時 命を返す 父なる神に
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履歴書も 書くこともなく 悠然と しておれるのか 富士の山殿
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富士の山 あくせくしてる 人間を 嘲笑うかの 如くにしてる
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履歴書に 自分の歴史 書き込めば 味気ないもの 情けないもの
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宇宙人地球にやって来ないのは何の魅力もないからかしら
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人間を「ひと」と呼ばずに「人間」というひとはただそこに立ってる
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柚子の飴たちまち液になるまでに寂しさ香に追い抜かされて
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それだけで過失の一つ もしあの日素直だったら 過去手繰ること
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炊き立ての ご飯の白の輝きて 明太子の赤 寄り添う朝よ
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向かい風強きに迷う友の背を押して励ます電話の向こう
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二歳児は自分で着る服選びたい 全身柄物でもご愛嬌
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十二月 雨の降る日は 膝掛けと 紅茶でゆるりと 時間楽しむ
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最新のおもちゃの機能に驚いて 子よりも先にサンタがワクワク
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読み物を愛しうつつの実よりも文字の海中わたなかえらぶそのさが
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あの豆腐 うちではレギュラーの一品です 美味しいですよ きゅうりと大葉(塩)>15巻かな
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やっと観れた 「つまんねえな」がかわいいな シロさんケンジは セットで幸せ
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焼肉屋トング片手に焼き係 「早く食べなよ」優しい息子たちキミら
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この想い間違いですか?聞いてみる 神様だけは味方につけたい
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偶然にあいつのヤバい秘密知る 武士の情けで黙っててやる
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いい靴の条件を傷前提で履いてはひとつ積み上げる生
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スティックのカフェオレ一言メッセージ 専門の人がいるんだろうな
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ゆで卵 火が強すぎてひび割れて 我のこころもちょっとひび割れ
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腹音をカミナリ様と呼びなぜか臍を隠した幼子の朝
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アホアホと漫画のように鳴くカラス初めて聴いた二十歳の初冬
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ドライブに女房がおふくろ誘ってる姨捨山を見つけたらしい
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家族旅行姨捨山の月を見て帰りに一人減ってる楽しさ
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ラスボスの物置部屋に着手して 片付け半分 腰がイタタタ
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評判の美容院で髪切りし妻ひとりくタイムトリップ
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献立に刺身を急遽きゅうきょ入れませう20度に向かう師走大雪
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烏二羽いや三羽樹と樹のあいだ 白雲青い空を残して
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