猫を呼ぶ還暦の母 僕が子の頃とおんなじことばのにおい
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知ることを眺めることを慰めとしていた人も霧が呑みこむ
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四歳の姪のままごと父居らずママが帰ってワンと鳴く僕
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かじけ猫お前は春で外に出て噛め噛め本もIKEAのサメも
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AIが文を無毒化するアプリ「○○だしね」のしねにアカ入れ
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おはようと小さくきざす蕗の薹 雪だるまにはさよならの朝
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三越のエレベーターは透明で下りの景色TikTokだ
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憐憫の視線を向ける其の先に あるのは誰か または鏡か
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政界や芸能界のニュースなど僕らのために少しもならん
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良き主婦を演じた今日の一日を両手を伸ばし明日に備える
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南風うけて卯月の風となる愛が溢れる彼方に春を
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迷信を信じるほどに信心は無いよ 証拠に黒猫がいる
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暗がりの 誰も知らない路地の奥 猫が一匹 丸まっていた
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アンパンを上手く等分できぬよに 愛情だって等分じゃない
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シャーペンの芯なら折れても替えが効く でも君だけは替えが効かない
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初恋のベンチと私が名付けたる椅子に老いたる夫婦が憩う
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死ぬことは 終わりにあらず ただ一つ 裁かれるだけ 己自身を
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愛なくば 何事もせず 人に害 加えるつもり ないようにして
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信念に 忠実であれ 善悪は 神に任せよ 裁きは後で
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深々と お辞儀している その陰で ちゃんと計画 進めてるから
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貶されて 軽蔑されて 我慢して 情け深くて 退屈凌ぎ
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夢破れ 心潰れて 幾千里 されどいつかは 思いを遂げる
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状況が 変化するたび 調整し 長生きすれば チャンス到来
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何事も 沈着冷静 熟考し 粗相無き用 準備周到
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我慢です いつか思惑 果たそうと 思いを育て 計画どおり
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叱られて いじけてみても 仕方なし なにも現状 変らないから
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新聞もテレビも日頃死を放ち脇役の僕日本史を読む
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前世も同じ想いで眺めたろう いやにはしゃいだ春の星らを
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舌の上 甘いミルクをすりつぶす 溢れ出す白 とろけて二月
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陰口よそんな暇なのどうせならきれいな声で笑ってくれない
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