初春のむごい景色に我はただ 雪よ降るなと祈るばかり
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一日が 始まる度に 思うこと 今日一日 生き延びようぞ
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平安の プレイボーイの 小説に ときめく京の 雅の男女
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吉高が 紫式部 演ずれば 京の都も ほろ酔い気分
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老いたるか辞書を的確にめくられず滑る手指を息にて湿らす
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アルバムの中に住みたる私はさげすむように私を見てた
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遠くから眺めるだけで幸せでまたあの頃に戻りたいな…
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自分で視る匂いを嗅ぐ耳を澄ます触れる噛じるもう忘れない
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この夜を引き延ばしてもあせるだけなら夢と日中ひなかをあざやかに
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カオナシの仮装をなんで選んだか聞いてないけどそう言うことだ
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丑三つに出はる亡者さ頼めばいあんちクタなもワギさボウんだ
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若者がディスると言えば先輩と距離を計らうディスタンスかと
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明確に伝えたい想いもないのにそれでも誰かに触りたい
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人間の燃える臭いが流れ込む どうしてその臭いがわかるんだ
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身の回り3メートルの平穏を ようやく死に物狂いになれる
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後先あとさきの見えぬ天変地異来たり大地の怒り文明ひれ伏す
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さようなら漠然とした幸せよ 手に届く石を積み上げてゆく
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遠くても 同じ星空見てるとか そういうキザな言葉大好き
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カメラロール 月の写真が増えていく 一切見返すことはないけど
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結婚はできそうにない池にいるオタマジャクシはカエルになるね
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新年の酔わない夜に飲み尽くすそれでも酔えずあしたを待つか
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モーンガータの上をゆく船ならばあなたの悪夢も舳先で裂くよ
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広い背に頭を預けて笑う顔 好きの理由が目に見えるとは
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どうしようもない生活感があるこの部屋だけが気を紛らわす
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速報みて 眠い目こすり復習す いざ揺れたらばどう動くかを>今夜は実家(関西)
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ぬくぬくとベッドで本を読みながら罪悪感の震災五日目
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焼き立てのトーストにバターを塗るザリザリとした音だけが響く
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ミニサイズ・ルミナリエのよな電飾に お花のキラキラ お正月仕様
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にょしょうには 社会的抑圧 つよくって 潜在意識 しずむ人格片おおい /自我の統合がゆるいか
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寒い夜 雪にえる 首元くびもとが イルミネーション かがやくわんこ
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