これもまた腐敗なのだが水底に透き通りゆく花びらの堆
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もう帰ることはない街の空に ワームムーンはただ滲むだけ
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車行く風よ夜空の月覆う雲をあちらへどかしてくれよ
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ビニール傘の屍が辿り着くことでも知られるナントカ駅
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日常のあの日の思い出よみがえる テレビに写ったあの日の出来事
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朝 4℃ 気温上がらず午後になり哀しい雨が降り続いてる
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ぼくのため嘘をついてるきみの頬にひらひら桜の花びらひとつ・
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仏壇にまだ置かれてるドーナツが寂しそうなあの人の顔を
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ナボコフの『アーダ』は地獄の淡き色(老いとは一種の麻酔であろう)
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国境なきapple music音楽は言語無くただ平等である
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永遠に第弐位相の更新はないと知りつつ読者になる我
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雨に濡れると穴のあくオブラートの上に載ってるような日常
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市の人に見つかるまではチカチカと照らし続けるつもりの街灯
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咲くまでと手と手重ねし花の芽がひらいた音信きみは三月
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春風に尻尾靡かせ犬五匹久しぶりだね土筆を走る
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根を下ろす、聞こえいいからぬかるみで動けないだけなのは内緒で
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一瞬の 出掛けた直後 春寒き 風の舞う中 詩の浮かぶ道
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刃を入れられた玉ねぎの 痛み苦しみを思って涙するきみ
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親子丼って なかなか残酷な料理と思ったり…いただきます
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雨降って地がなんとやら 僕たちの肩に降るのは雪でいてくれ
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春限定眠ったままで作業できる能力だとか売ってませんか
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刺激物まみれになるより雑草のように茫々としておこう
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よるべない悲しみいつか雨となりあなたの頬をぽつりと濡らす
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人の眼が愉しむために咲かされているとも知らず咲き誇る花
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とりあえず笑っただけで吹っ飛んだ過去だったから残骸なんだ
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あの星が光ってる遥か彼方にも時間はあるし 菜の花が咲く
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ジュニア用プロテインバーかぶりつく 私、不甲斐ない大人になった
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「誰とでも笑うわけではないよ」って それってつまり、つまり春かな
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半歩前を行くあなたを振り向かせられない私が放つ信号
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茶色の亡き骸たちが 白の下から現れる 次は桃色か
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