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できるだけ人畜無害になろうかと抜いても抜いても生えてくる牙
6
鈍らせた気持ちはいつか音もなく堰き止められず決壊しゆく
7
ひと瓶の苦い思い出飲み干せば再び前を向けるでしょうか
5
早起きし「お見送りする」と言っていた 君は寝たまま出張の朝
10
なにものであるもあらぬもおしきせの個性はいらぬ 僕はオレゆゑ
6
欲望に果てなどないよヒトとして生きてる限りそれがフツーさ
9
学歴がないのにやたら法律に強い人ってちとヤバくない?
7
「笑点で座布団運ぶ仕事です」ハローワークで見ていた山田
9
あらかじめ潰されているプチプチでつつむ希望感傷罪悪
5
ひとふたみ いとしきものを うしなって 青はみえない あきの曇天
19
愛されぬ 行方も知らぬ かの命は 福井の海に 産まれて落ちぬ
3
後輩
(
とも
)
からの引っ越し葉書に綴られた文字の嬉しき
あの頃
(
高校
)
のまま
19
半袖で金木犀を頬張ってエアコンつけて秋刀魚をころがす
8
暖かなグレーを抱えて生きていく タバコの煙 大人だけの味
7
工場のエレベータ塔に日の暮れて ハナミズキの葉に茜色足す
17
思い出を 消し去るのには 早過ぎる まだ踏んばれる 一歩ずつ進む
17
噛みちぎるマルゲリータの
L
サイズ あいつのスマホ覗き見た夜
16
波響く
細雨
(
さざめ
)
の夜に傘を差し いつ帰ろうかと管を巻きつつ
7
無い
尻尾
(
しっぽ
)
一生懸命振る老犬 分かる分かるよあなたの気持ち
29
鼻は父 目は母に似た我の顔 在りし日の記憶 鏡みるたび
20
耳の疵 漢の誇りと自慢する じゃりン子チエの小鉄猫かな
6
奇跡って
貴方
(
きみ
)
に出逢えた事じゃなく 同じ時代に生まれた事だね
14
定休の寿司屋の前で待ちぼうけ 耳に喧嘩の疵ある黒猫
6
そのままのこの世のほかの真実は 神も仏も比喩とこそ知れ
4
七十の壁突き破り八十に これからどんな壁待つのやら
19
上手く付き合っていこうって約束したのに
持病
(
きみ
)
とはもう付き合いきれないよ
13
いつも来る不安の闇に飲み込まれ 光を求めもがき苦しむ
22
「つらいせき、喉の痛みに効く」飴を用法守らず舐める「美味しい」
11
使わない倉庫の灯りを見かけ踏み出したら夕日 すぐに消える
6
管理職で 社内ニートの 叔父の趣味 オカリナ吹いて 悪魔召喚
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