純粋さがうらやましかった、でも君は彼らの射程圏内だった
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そのへんに落ちてた飴の包み紙だけで作ったモザイクアート
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三千百円の服が入った袋 葬式のお知らせを見た
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最後だし撮ろうのひとこと言えなくて黙って並んだロッカー写す
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もっといい男になるよという君の見てる誰かを僕は知らない
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純粋な果実のような君もたぶん自然に腐ってしまったのか
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前髪をめくってみたいブリーチの理由が書いてありそうなでこ
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ちり紙を丸めたように咲いているようにしか見えない春もある
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持つ物が増えるスマホと老眼鏡夫の薬と拗ねた子の肩
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感情って結局元素でできてるし所詮水兵は海に勝てない
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ぽろぽろと落つる涙でピアノ弾く。雨と言おうが月は綺麗で。
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纏ひ附く百合の喩へのいみじからば雁の図形はくづれかへりぬ
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娼婦私生児しかれども父祖にてはなやかなる頬 じつを衒ひて
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約翰よはねまぎらはしくも謄本へ添ゆる洗礼名さへみわけがたかり
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放蕩の返済が果追はれつつ葡萄に裸婦は序する福音、鳩卵
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埋葬費をりしもてなぐさみに染む罌粟防火壁のもとに額づけ
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真夜中の無言しじまに響くYouTubeすがる日曜恐怖の月曜
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踏まれてるふきのとう見てつぶやいた君はいくらか頑張りすぎたね
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僕といて恥と思わないと言う君が恥ずかしがっててなによりも春
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あの時になんて言ったか知りたくてやればよかった読唇術
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その呻きすら日常と呼ばれつつ鍋にトマトが煮崩れてゆく
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ゴロゴロと頭の中で鳴る言葉 きっときれいな音色にします
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君の手にこぼれたものは宝石かそれともただの涙だったか
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吸い殻と酸素があまる寝室で 枕のくぼみ不在とねむる
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弁当のぬるいフルーツよみがえる 三等賞のリボンのピンク
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くちびるに桜を乗せて花見する変態だよと風が微笑む
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眠たくて瞼重くて疲れててそれでも空は元気に青い
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遠い日のあなたと僕が住む街へ攫ってくれと薫風に請う
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いつまでも同じと思って閉じた本、だったはず 変わってゆくなんて・
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吉野山 昔はのどかに歩けたね 今年はどうかな 開花予想とスケジュール
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