10年も日夜を問わず呼ばれたら だいちゃんだって疲れるだろう
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大声のコンテストでもあるのかな 住宅街で猫の名を呼ぶ
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iPhoneのアラームよりも強力な深夜2時までのだいちゃんコール
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気がつけば市役所北の信号は何処にでもあるあんず色の陽
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ムレスナティー飲み放題を見つけたり 紅茶派としては魂ふるえる(行きたくて行きたくて)
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幸せな微睡の中現実に引き戻される 隣家のだいちゃん
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年金者集めて格安バスの旅宝石店への立ち寄りも付け
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みじん切り、輪切り、ぶつ切り長ネギを冬に備えて冷凍保存
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天覧の競走ありし日であれば御法度も許されるべきである
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君の瞳に誰が写っているのかも 知らない僕が出した手紙は
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お月さま ひとしく照らす 優しさに 自分の罪を 懺悔して泣く
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この先は恋には含めないでくれ 月がこころに刺さり続ける
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友人が テレビ出演 びっくらぽん そのアクティブさ 変わらずにいて
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笑いが絶えない家庭ってどこの世界の話だろうか
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希望という素敵な名前もちながら誰も知らない「匿名希望」
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蛇口から流れる水を直に飲み ちま猫、おくちが水滴だらけ
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きのこ入り 鍋いっぱいのカレーかな 大きなしめじが 歯応えもよき
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部屋のすみぢっと眺める雄猫はきらいなひとのかげを見ている
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ねこがいます感染性のかわいさは数千年のパンデミックは
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命日に供えるぶどう庭に採る とき移ろへど慣れぬ淋しさ
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昔から 悩んだ症状 調べてみる 出てくるは指定難病 違ったらはずいまじで
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四半世紀 悩み続けて ようやっと 掴めたような貴方との距離
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荒れ果てた 春の薔薇見て 華麗だと 次は秋薔薇 何を思うか
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丘の上に月を背に立つ裸木の梢に動く物は鴉か
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家猫は熊のぬいぐるみくわえつつ ライオンのごとく我が前を行けり
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肌寒くなりし秋の日ぬくぬくと 君のぬくもり毛布のかわり
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どうみても恋してる顔できみはきく誰かを好きになったことは、と
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それでいい こんな私に 言ったのは 夕方5時の でっかい夕陽
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ため息を 誤魔化すための 深呼吸 だましだましで 今日を乗り切る
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白い機体ボディ 傷は無数に刻まれて 「百戦錬磨の証だぜ」って
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