大和唄 詠む心には玲瓏と響かん祈り 灯火となれ
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元気かと 笑みを湛えて訊ねても愁色浮かぶ リノリウム床
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君からのLINEが2件来た深夜 四月一日の例外でいて
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眠るのがめんどくさいし手のひらを蛍光灯に透かしてみたり
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同じ時 同じ時空に 居るはずなのに こんなに違うか カップ麺三分
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早足が 上手くなった 気がするが その分寿命が 縮む気がした
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しとしとと 降る雨の中 立ち尽くし じっとり滲む 口内出血。
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わたぬきに改名しようか迷ったりぺしゃんこのぬいぐるみ投げたり
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蛹から体液が流れ落ちるよに中途半端に成人になる
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階から眺めた街で目が合った 高鳴る鼓動 今は丑三つ
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君はレッドでグリーンでブルーかい テレビに三原色を尋ぬ
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電話嫌い 決心つかず 1週間
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「痛いのや寒いのは嫌」それすらも意外と合意が取れない人類
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その生を 硝子に例えて弾丸の 飛ぶ距離だけが 後悔だった
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とりあえず 世界が終わって きみを訪ねる  つゆも知らずに 寝ているきみを
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今月は 短歌読むには最適で 一日一日文字刻む
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流行に 洗われ残った一粒の 砂金のような人だね君は
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誰だって 思いに耽る夜はある それが一人か二人かだけで
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出会ったと 思えばすぐにさよならで もっともっとと生き急ぐ春
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好きだよと言えないままで教科書のyouのモデルを君にしてみる
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通り道 あそこもここも 歩いたよ 地元という名の 親しき友よ
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一日を 退屈だとは 思わぬが 日々が修練 歯を食いしばれ
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土に種 植えて芽が出て 茎が伸び 葉っぱや花が できて実がなる
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約束を 積み重ねては 信頼を 勝ち得て友と なれるのだろう
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幻影を 追い求めても 何もなく 手触りもなく 臭いもしない
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その人が 遠くにありて 見える時 心の中で 愛を絶った日
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信ずれば 誰かと同じ 事が出来 絆ができる 互いの内に
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命とは 失う時に ひりひりと 伝わってくる そのありがたさ
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喘息の 発作にもがく その時に 死ぬかと思う 一人祈りて
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見上げれば 天は明るく 微笑みて 罪に誘う 道に微睡む
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