驚いた 二人のニュース 平安へいあんを 自分達じぶんたちまで 幸せになる
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暖房を点けてない部屋足元の布団をめくり湯たんぽ隠す
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たわいなくテレビの声に話しかけ 家内近くにいないとしない
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「もういいよ」木に顔つけて呟くあなた百数えても止まない嗚咽
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起承転転転転…と花びら振りまき回る人生がいい
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ちま猫の爪痕残るしろき胸 フミフミ跡と思へば愛し
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耳たぶの窪んだ穴が愛しくて彩らずとも貴方は素敵
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かわいいというだけでこの家中を支配している最強の吾子
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来年の今ごろわたしはどうやって生きているのかおそろしくある
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空腹を自覚できているしあわせとかなしさだけの天秤がある
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やわらかでましろいパンのまんなかに鎮座するきみカツサンドという
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街灯のLEDに燦めいて プラネタリウムのような粉雪
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与えられシナプソロジー段々と脳が身体が温まり来る
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人生は2時間ドラマ 1時間50分あたりで断崖に立ち
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風呂上がり 寝落ちの妻が見逃した数分間で犯人を知る
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すき焼きの湯気の向こうに座る夫キミ 飲んでないけどビールはいいの?
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月に腰掛ける魔女との約束で一寸先の赤色を跳ぶ
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病院後 待ち合わせの時間つぶしにて モフサンド展を撮りまくりたり(撮影オッケー)
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井の中の蛙の空は四角くてわたしの空と同じね 氷雨
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清湯チンタンに溶け出しているまっすぐな店のあるじの人柄を吸う
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君よりも何度も見たよ君の名を検索して出るおっさんの顔
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よくごらん アンナ・フロイトがわたしの詩 じっと見ている これが昇華よ
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その画家は好き だけどあなたのことは嫌 同じ絵の前立てやしねぇな
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十は先遠く離れた駅で降り 近くであればあるほど知らぬ
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パソコンをさんざ眺めたあとに乗る電車はゆらりゆらと揺れてる
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【CM】百均の 防寒アルミ(シート) かけてねりゃ 毛布一枚ぶん 無くてそれなり /軽いがガサガサ
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もうすでに 3%の 辰年を 浪費しました お知らせします
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ある意味で区切りだったのかもしれず 一年の計はおみくじにない
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知らぬ間に再出発の肩書きを背負わされてたぼくらは無垢で
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「強そうに見えるかな」って呟いた 私の心はチワワ並です
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