遠くから竹林鳴らす音の雨 人でなしは一度だけ名を呼ぶ
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僕の苦しみが、すべて君で消し飛ばせるなんて おかしいじゃないか
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「焦げるって知らなかったの、シチューがね、」世界のすべて信じてる目で
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好きだよ、と 寄せる波間に曖昧に困ったように俯く君だ
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やるせない思いはスープにしとくからあなたはそこで踊っていてよ
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二人掛けテーブルの上にストローの(love is over)蛇が伸びてる
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あの頃に目を背けたこと後悔に今向き合って輝きを知る
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コーヒーを 飲めただけでも すごいのだ ちょっぴり大人な 二十四の春
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飲めないと 自分勝手に 決めていた でもコメダで アイスコーヒーなう
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暮れた空 君が離れる 溢れてく・・・涙で切断 クソ  遅刻かよ
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きょう、君は 〝神様〞の座を退いて ただのきれいな〝僕〞になった
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もうそこに家鴨あひるはおらず逃げ惑う家鴨を追いかける農婦もいない
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ひとつずつドットを手打ちするように頭のなかにある未来を描く
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粉雪がレンズについて印画紙を一枚めくるごとに溶けゆく
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かなしみを布張りの表紙に閉じ込めてだれでも読める叢書にしたい
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ショッキングピンクの髪を井戸に垂らして王子を救う童話のようだ
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古地図の、先般、軍事侵攻を起こした地域に生える赤黴
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桜でも桃でもなくて春生まれだったきみから香る石鹸
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人間の 業を背負いて 年老いて 醜くなりて よぼよぼとなり
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時余り 考えるのは 罪ばかり 欲が昂じて 命失う
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眠気差す 春の陽気と 日曜日 花粉症だと 夜も眠れず
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あとわずか 忍耐続け 清き水 濁さぬように 腐らぬように
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真白き 部屋に穢れた 思いなど 入れぬように 穢さぬように
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作っては また捏ね直す 粘土かな 悪の作品 やり直す度
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考えて 思い図れば 罪ばかり うまくいかない ことで長持ち
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いつもゼロ 悔い改めて なし崩し 欲が孕んで 罪が生まれる
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星ひとつなくした空の悲しみを知らずにきみと見てた流星
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きらめきを叩きこわした破片さえ愛しい 先生愛ってなんですか
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目を閉じて目が覚めたとき気狂いになっていないか不安なんです
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正直に 言うことだけが 道でなく 思いやりなき 刃の如く
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