夏長く遅く来た秋歓迎し引き留めたくて桂花茶を買う
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大切なものこそ目にはさやかなれこの目この肩このふくらはぎ
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とことこと足音響く階下よりそうかあの子が歩き始めた
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待ちわびたひとに会うよな今日の風少し遠くへ歩いてみよう
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灼熱のコンクリートをひた歩く ひとりぼっちのハイコントラスト
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涙ぐむ君の夢見た嫌いなの?捨てちゃいけない希望だけはと
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変わらないよ何が起きても君が好き例え死んでも明日が欲しい
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ハンバーグ 作ってもらうと幸せになるのはなぜだ 子ども時代こどもの名残り?
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どこにでも向かえる電車を待つホーム どこにも行けない僕を待つのは
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おしっこをすると下着もしめりつつ 年のせいならしかたもないか
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交差する旅路でかわす言の葉がささえてくれているんだ今も
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おじいさん おばあさんたち 心から いい人ですか 本当ですか
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一日が あっという間に 過ぎてゆく こんなことでは もう死が近い
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おそらくは 今の仕事も 長続き しないと思う このままいけば
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仕事上 大人と話し 命じられ やることはする 心は子供
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人間は 少しの権威 持つだけで 暴君となり 他人を支配す
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いつまでも 大人を好きに なれぬまま 生きてゆくのは ピーターパンや
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固執した記憶を沈めておくような珈琲 ほんのり飲み干してクレマ
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ほうき草今年は赤くなれるかや何だか秋が短しと聞く
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扇風機もうかたづけてよいですか。あやしみながら空にたづねる
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山寺の 風にざわざわ 萩の庭 赤紫に 靡く初秋はつあき
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オレンジと ブルーに惹かれ 川覗く 主役と気づかぬ 二羽のカワセミ
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音にのみ聞きし都市みやこは 年ふりて 遠きたよりにたびをかさねる
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鼻先に 冷気をのせた 朝ぼらけ 敷いたぬくもり もうひとねむり
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老犬よ こんな時もあったのね ドアにはあかし数多あまた爪痕つめあと
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今だにも問ふ人もがな津の国の生田の森に秋更けにけり
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長袖の部屋着を着てもまだ寒いでも窓は少し開けておこうか
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百寿なる母を笑顔にさせたくて 笑顔見たくて施設に通う
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覗き込む婆さんの顔付いてくる疾走中の夜の高速
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覚えてる? 高めの体温 これからも 温めたいよ 生きながらえて
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