あなたとの電話で寝落ちた昨日でも答えは聞けずに朝のため息
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鵜飼舟川底焦がす篝火の上り下りに明くる短夜
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この恋をつたなき恋と秘すれども想い綴らんこの身哀しき
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イケメンと 軽妙巧み 使い分け 松野のあんちゃん 身罷みまかり惜しむ
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滝落つる自然歩道下滝カフェのあじさいに降るしぶきや優し
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幸せは 季節の移ろい 見届けて 黙って座る縁側にある
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朝目覚め「今日も生きてた」ありがとう 庭の紫陽花風に揺れてる
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転んでも泣かなくなった天使には パピコはブドウ紫色の
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夏至過ぎに「最高気温二十度!」とは…。短パン脱ぎて春物さがす
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ばら肉となすの薄切りくるくると 巻いてる五歳の小さな指先
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忘れてく記憶は全部この箱に 入れて地中に埋めておきたい
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あなたの詩が好きですと言うのは 私にとって告白だから
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熱帯夜寝返りうちてまたうちてまんじりともせずく寝たいや
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僕を見下ろす君のまつ毛は今頃空を見てるのかな
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この先に 光があると 信じても信じても信じても空しい
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カラオケで同期が歌うコブクロの音符が狂う地獄のうたげ
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ガラクタを 集めて笑う 束の間の コインに託す 張り詰めた日々
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ありふれた人生はとうに遠くなり豆乳プリンは美味しいですか
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不健康自慢ばかりの検診で待合室は賑わし平和
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悪い癖まともに詠めよ短歌だろちくしようめでまた夜が更ける
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ビキニかな?いやワンピースだろ!でもスク水の君は混じるな/こら!
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色恋を歌に詠みたく思えども恥晒すのみの我が身である
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おいマジか!壊れたディスクあの人の甘き微笑み電気に逝つた
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広告が煩わしいぞwebサイトプレミアムなど誰が使うか!
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初夏の僕初のデートに浮かれ過ぎジッポを浜に忘れちゃったよ
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砂糖と酢 冷水で振る あら不思議 いんちきポカリのカクテル出来
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寝たいけどこんなにお腹が空いてては寝れないような気がしてならぬ
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嫁ぎ来て六十五年の義姉は言う逢魔が時の慣れぬ寂しさ
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バザーへの依頼の品はドアに下げ礼の言葉もなきに持ち去る
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月光が部屋に差し込む深夜2時ふと目が覚めて朝かと思う
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