ラジカセですら捨てるのに金が要る ならば僕は と宙を舞う脚
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損しても 自分にウソを つけぬもの そうしていれば 道は定まる
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魂に 真実教え 従えば 荒野の旅に 行くことになり
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逃げるのか 見ないふりして 通し過ぎ 心を殺し 嘘をつくのか
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考えず 改めもせず 漫然と 暮らしていれば いいはずもなし
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忍耐を しなくてならぬ 時があり 褒美はいずれ 将来にあり
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強制は しないけれども 真理とは ただそれだけで 巌とそびえる
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聞き分けの いい子は大人 独り立ち いつまで堪える 親の忍耐
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年を取り 赤子のように 駄々を捏ね 地団駄踏んで 悔しがるだけ
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その道を 行くか行かぬか 決めるのは 全て己の 得となるため
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本当に 好きなことさえ 禁じられ 自分を騙し 生きてゆくだけ
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いくつかの記憶と金木犀の香りだけ閉じ込めてサヨナラしたい
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納品は新しいのを下にして このひと手間がプロと鼓舞して
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届けよと 金木犀の香り満つ 気切されてる 君の中まで
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浅瀬には優しい人が集まって僕が溺れるのを待っている
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あ、七文字、使えるかもと笑いたる君を短歌にしよう字足らず
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対流する味噌汁の味噌の粒々に我が身を委ねて見たいと思う
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切り離し売りに出したら軽くなる おもみをはかるケアは売れない
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カーテンの裏に 夜な夜な降り立てし ひとの匂ひは 金木犀で
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今ここで列を抜け出せるか否か。或る簡単な指標としては。
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曇天の 清里の夜を のぞき込む 夏の宿題 手の望遠鏡
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居間の床 仰向く僕を 寝床とし、 微睡む猫の 重み、温もり。
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接客をいつもどうりしていると目がバキバキの茶色いおじさん
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夕焼けは美しいのに振り向けばバカデカ影でちょっと楽しい
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診察と納品兼ねて病院へ 血圧手帳も台車に乗せる
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ワンピース白い花咲きひるがえしブーツの踵鳴らす草笛
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美しい線をえがけと震える手 心が揺れる 惑う爪先つめさき
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死にたいと言えば何故かと泣く人がいない沖なら息継ぎできる
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給付金配る以外に能がない政府よ もっともっと出してね
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人の死を自分の手柄に利用する 眼鏡野郎の薄いくちびる
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