防衛のために手にした武器であれ 戦争以外に使い途なし
0
踏切や西へ東へ見送って 開くの待つわいつまでも待つわ
0
祖父の背が 語り尽くせぬ言の葉で 秋の並木に 彩りを添え
5
歳重ね 幼年期から追憶し 残る思い出 無始無終かな
2
「内心は自由」を要は「黙れ」という意味で使っている人がいた
1
切りすぎた爪の手で書く字は少しいつもと違いキリッとしてた
1
土砂降りの雨からきみを守りぬく屋根にわたしはなれたでしょうか
4
さみしさは空の高さと絹の雲 きんもくせいが歌い始める
4
人多き綜合病院の待合は 仲睦まじき老夫婦あり
0
どのようにその素晴らしい文字列を作っているのだ画面上の君
2
下々に娯楽をやろう いい人になったかのような気にしてやろう
0
イラクから 二十年たちウクライナ 消費期限の都合なのかな
0
お隣の赤いトタンに滲んでく  屋根は夕焼け 夕焼けは屋根
10
いつかまた戻ってほしい本にだけちいさく犬の絵を描いて売る
32
戦争の正義は常に勝者側 敗者は背負う 罪と賠償
0
二階からクレーンで吊られ冷蔵庫 十年戦士秋空を舞い
5
冷蔵庫消費期限の数字でも祝福溢る君生まれた日
15
千切れ雲家路を急ぐ朝六時 倅は初のバス旅行なり
5
何らかの儀式のために集まると、人はもれなく「野蛮」に見える
1
我が母校 後輩の柄落ちにけり 情けなく思ふ 秋風の中
0
地下鉄のエレベーターで地上へと地底人が侵略にくる
1
瞬きの目を開けたときに見える世界少し時間が進んでいる絵
1
昨日から 戦っていて 血は朱くてと言うことは甘えか
0
さみしくて 広がった空見上げれば羊の雲の何食わぬ顔
1
違う 違うの私の所為だ 小指の先から流れ落ちる血
0
光とはどんな感じか満月の表面イヤホンジャックを探る
2
満員の地下鉄を降り満員の信号待ちの日陰に入る
1
文字持たぬ民ゆえ言葉残すため 編み出したのが三十一文字よ
0
揚子江 追われ 籾持ち船出して たどり着きしは秋津洲なり
0
寒冷期 飢えし黄河に襲われて 揚子江人各地に散りぬ
0