自らの体の機嫌とることを覚えし吾の四十九の冬
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短歌うたを読むみんな必死で生きている 三十一文字みそひともじでも元気のみなもと
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田園を「たえん」と読んだ小4よも少し勉強しては如何か
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来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
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年の瀬に にぎわう街の踏切を くぐりし母子 ひきとめる修羅
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花散りて 星 一つ増え はや 一年 過ぎ行く年と 残る無念と…
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張り紙に「体力の限界」目に留まる 半世紀続いた喫茶店サ店は閉まる
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豆苗の収穫終えて根が残り 清らにしらじら捨てるは酷し(食べてみようか)
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年の瀬の「良いお年を」でほっとする予定はなくてめでたいお屠蘇
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事納め 鍬を洗ひて感謝なり 丈夫な体は 有難きかな 
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大晦日 何回見ても夜勤なり 年越しそばはカップ麺かな
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利用者の 救急搬送呼び出され クリスマスの夜はのり弁当
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パソコンも 引っ越ししたら やり直し 二時間かかってビール三本
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年越しの我が家の味を子らにと言ふ妻の思いをクロネコに託す
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ストーブで温めた服の暖かさ 真冬の朝の祖母の優しさ
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シャキーン見て家を出ていた小学生 今は夜更かし2355
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英明のあと五十年初恋をする再会はあゝ古希美人
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これはおはようを言うためのおやすみ 明日はいっしょに水族館いこ
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ねる、ってLINEして寝る ねるをひらがなにするほどさかしくはある
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知ってる?傷は膨れるのわたしの面積が少し増えるの
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キスなんかで救われる人生じゃなかった、そんな人生なら要らなかった
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口吻くちびるのかたちの傷にキスをする 手首のリボンは外しておいて
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積雪のならす力に息を呑むひたすら続く白銀の田よ
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私から加齢臭などするかもと何が怖くて皮膚を擦るか
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食べたなら虜らしいよドリアンは妻を質入れするんですって
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限界に熟れた果実に齧りつき貴方汚して傷をつけたい
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肯定と否定を炙った夜のこと誰にも言えない君以外には
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明滅を生きがいとする街灯は新月ばかりを待ち侘びている
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知らぬ間に 今年最後で 納めてた 残りは意識 して納めよう
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不気味なり逢魔時の柳陰首をもたげてゐる件かな
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