翳りなく愛してくれるあなたから時折そっと隠れてしまう
1
分からない愛の全ては嘘ですとネタバレされる日を待っている
1
洗面所分け合い使って気づくこと親のもみあげが白に染め上がる
1
夜おれが寝てるとゾウがやってきてみぞおちのとこに立っている ずっと
1
復活の呪文のようなほころびで  二度と戻らぬ君との距離は
3
いつか見た夢の続きが見たくなり今日もちまちま歌を詠んでる
8
細胞が 増えて固まり デカくなり 人になったな 霊が入れば
1
爺たち 俺たちみんな 若かった 婆たちもな 綺麗だったなあ  
3
消えて行け 人は静かに 去る方が まわりのために 爽やか残し
2
仕事だか 趣味だかなんか わからない そんな歳じゃろ 定年間際
1
時々は 出かけてみろや 八王子 そんな遠くで ないじゃろうが
1
大御所が チェットベッカー 持ち出して 急に親しき 旧友となる
1
潔く 死んでゆくなら それもよし みっともなくも まだしがみつく
1
朽ちてゆく 先が見えれば 焦り見え 限界も見え 諦め切れず
1
現実と写真じゃ色が異なって、君は「全部、無意味じゃないか」と。
1
オリジナル 追求すれば 周りから 忌み嫌われる 化け物と化す
1
こんなもん 人の欲望 果てしなく 次から次と 止まり知らず
1
酒呑めぬ我が身なれどもいつからか呑まずにいらぬ幸薄きから
1
どうせならドカンと派手に締めようぜ最終兵器彼女よろしく
1
おれの頭を踏みつけるその足、おれ自身のものと気づいた
3
世の人の 苦を知らざれば喜びも 無きに等しき  皆そうであれ
12
保育士の義母直伝の子の抱っこミルク沐浴オムツ交換
2
ショートケーキの夢を見る22時 さきいかに手を伸ばす土曜日
1
大好きなうちに終わりにしたいのと言う君のその唇ふさぐ
5
テラス席の犬はクリーム舐めながら思う「あ、これはデジャヴだ、春の」
4
お風呂に湯ためてる間キッチンの水はアルプス冷たい痛い
3
小突かれてやめてくれよと身をよじるそれからずっとよじったままだ
14
鼻水が出たら頭は休む時。さてお茶入れて午前の仕事だ
2
なんにでもなれるちからがあるのになんにもなりたくないぼくたちは
4
春の日が差し込むビルのエントランス弓引く像の裸体にたじろぐ
4