酒呑めぬ我が身なれどもいつからか呑まずにいらぬ幸薄きから
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どうせならドカンと派手に締めようぜ最終兵器彼女よろしく
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おれの頭を踏みつけるその足、おれ自身のものと気づいた
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世の人の 苦を知らざれば喜びも 無きに等しき  皆そうであれ
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保育士の義母直伝の子の抱っこミルク沐浴オムツ交換
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ショートケーキの夢を見る22時 さきいかに手を伸ばす土曜日
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大好きなうちに終わりにしたいのと言う君のその唇ふさぐ
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テラス席の犬はクリーム舐めながら思う「あ、これはデジャヴだ、春の」
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お風呂に湯ためてる間キッチンの水はアルプス冷たい痛い
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小突かれてやめてくれよと身をよじるそれからずっとよじったままだ
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鼻水が出たら頭は休む時。さてお茶入れて午前の仕事だ
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なんにでもなれるちからがあるのになんにもなりたくないぼくたちは
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春の日が差し込むビルのエントランス弓引く像の裸体にたじろぐ
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渡されたバトンを次に手渡せば色せた未来さき彩るのかな?
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三日月や寂しがり屋がまた一人夜更けの街を彷徨っていて
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会いたいと想う気持ちを込め歌に 会えない時間ときが愛を育てる
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楽天も電力会社も大赤字 されど潰れぬ護送船団
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何度でもシール貼り替え復活し ペットボトルの蓋のおはじき
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手作りの玩具は二倍の労力に 平和のために二ついるから
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はてしなき 澄んだ青色 大空に この世の憂い 掻き消すように
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足くさいディスりながらも臭い嗅ぎ笑う子どもは今のうちだけ
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ダメージも傷バン当てて二日三日経てば薄皮腹も減るころ
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昼酒のあと床に転がり寝る 暖かき冬の日を受けて至福
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ものとりに おそわれたけど すぐにきた けいさつもグル とゆめでおき。
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去る人ぞ いずこへ行くと語らずも 語り切れぬは 訊くと虚しき  
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いまならば勢いあるしもろともに畳んでしまえよしなしごとも
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雪花せっかとか言われてどんな美食かと思えば讃岐弁で「お豆腐」
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さむがって あさごとにのむ 葛根湯 風邪じゃぁないと しりつつ老爺心
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晴れた日のぬるい寂しさ雨の日の冷たい寂しさ明日も寂しい
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1000000と100の違いがかすむくらい遠くに視点だけは飛ばした
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