初恋を 想えばそこに あった夏 心はいつも あの頃のまま
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独り占め するには 広すぎた心 誰の胸にも 抱けない心
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さきにほふ やまの山茶つばきにあぢさはふ 繍眼兒めじろすす花蜜はなのみつかな
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カラーパープル 余韻残りし映画観る 自分に、痛みに、強し女は
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明日からなんて話はおいといて 今日は私とビール飲もうよ
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ここ白髪 あっ、ここにもと目を凝らす 老いの予兆に気を引き締めて
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「絶版」の文字に寂しくなってすぐ「電子版」へのリンク ときめく
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生きたいと誰かのために何かして 思い叶えた結局家族
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イチゴ狩り予約は何時にランチどこ?能天気なる平和な悩み
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節電の私の言葉に気を遣い 電気つけずに脳トレする母
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無防備な欠伸の数だけ近くなり だんだん家族になれた気がして
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四歳と春の赤ちゃん探した日 散歩の午後に降る光あり
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ももの色したきみのやわらかな耳がぴくりと動いておおきな欠伸
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きっと今日わたしは地獄へゆくだろう あなたひとりを道連れにして
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10年の時振り返ればあの頃に取りにゆきたい ものの数々
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ホワイトデー売り場はなぜかチョコだらけ 在庫処分ならいっそなくして
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朝のままのダウンとブーツですれ違う半袖ランナー汗きらきらと
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杖持たず背筋伸ばしてかくしゃくと大正生まれの患者ひと歩き来ぬ
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カップルの居並ぶ街を歩く日は売れ残ったフライの気分
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ひとさらを ひとひらとつい 読み違え 料理サイトに 情緒おぼえる
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あまりにも共にいた時間ときが長過ぎて切り離せないこの苦しみを
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隙見つけ文句、難癖言い放題 これは批評と名無しで言う
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胸に鳴り響く発車のベル貴方との七年も春のそよ風
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両脇に幼子二人抱え寝て 肩はバキバキ心は軽し
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尊敬の詠み手に共感頂いて ♡を二回押せたらいいのに
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帰宅して約1時間 ようやっと ちま猫シッポがピンともどれり(お注射お疲れ様)
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しあわせのひとつひとつを思い出しこころ湿らす花曇りの日
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春が来て冬に戻ってとまどって草花達は素知らぬ顔で
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燃え尽きても海はいつもそばにいて私の頬を優しく撫でる
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格好のよい手筋好手があったいい囲碁を将棋を見た今日は春
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