いにしへはわれにしづめる水鏡 あしひきの山 いましそでふる
7
298ニーキュッパ 安いねオリーブオイルさん 騙されないよ 半分サイズだ
11
ゆかしけれ 思ふ我が聲くもかくれ 身を限りとぞ知れば果たさむ
8
体育館 威風堂々 聞こえれば 春はすぐそこ サクラサク よと
20
電車にてスマホの画面にうつりこむ小さな雲らをぼうっとみつめる
21
もう知らぬ街だと思ったふるさとは変わらぬ顔で迎えてくれた
19
鶯の初鳴きホー・ドッコィショ そう聞こえたと家人が笑う
17
三十三回忌 生きてあれなら 六十七歳 おとうとのこと 母と語らう
11
語られず 去りゆく蝶と 花と 人 風吹き払ひ ものの侘びしき
9
木は芽吹く 春が来るのに 髪は減る カガミの前で 透けて見えてる
8
アナは言う 「となる予定です」 妻は言う どういうことよ 「なります」でよいの
4
てのひらの熱さを知らないまま離す 約束だけを道標にして
7
だって、あたし君の顔好きだし ちょっとのミスだって許せるし
6
気まぐれにみた駅伝の走る音積み重ねていく音、心地よく
14
カート引き歩く後ろでクシャクシャと枯れ葉あやめる音が聞こえた
9
アパートの誰かの部屋に清掃の業者の入る雨の三月
26
薄墨の 桜並木に 紅が 溶けて乱れる 弱酸の春
9
天気予報 通知の精度 デキる秘書 君に従い 予定変更
9
幸せか 何度も自問 してみるが 足るを知らない 自分もどかし
9
川面を時の太陽まだ照らし反射遮る鳥影ふたつ
10
生れ乍らに被爆者だったヒロシマの消えぬ憎しみ超える前死去
3
この先は九十一まで母さんはしっかりしてた俺どうなのよ
8
ありふれた 普通の日々が 引きちぎれ あの日からもう 13とおあまりみつ
11
雪の夜に 哺乳瓶を洗う水 街中彷徨い 途方にくれし
16
君の背を いつも見ているだけの僕 教室の隅で 駅のホームで
16
今になっても 実感なんて わかないけれど 一応考える 締めの挨拶
7
ちま猫は おみずのむとき おかあちゃんに みててほしいの ずっとみててね
14
なんとなく体育館の床が眩しい黙祷の群れの中
6
壁に刺した画鋲の痕、視線の正体お前だったか
4
部長さあ さすがにそれは やめてほしい 何回目なの その紙コップ
6