色を退く つまむあなたの指先もこの指先も同じ粟花
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幼き日、兄妹喧嘩の結末は、兄が悪いと、いつも断罪
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ダンジョンでいろんな人と交流し作ろう君の参列者名簿
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出勤の息子の背なに夫の声言いにくそうな「行ってらっしゃい」
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ぜつぼうや愛、を歌う今の君 昔の君には見せられないな
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愛らしいフリルのワンピを見るたびに思い出す人がいるということ
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片付けるときが来るまで元気でと祈りこめつつ扇風機出す
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幼き日、遊び疲れて、兄妹と、長い影にて、追われて帰る
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目の端にはるか山並望む地に指を折りつつ散策続く
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一度だけきみが使ったナンプラーが別れたあとも鎮座する棚
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これからも皆んなの平和を守ってね だってあなたは正義の味方
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君の目に一途いちずに優しく見つめられ 瞳に映る私は瑠璃色るりいろ
7
君がいて ただ君がいて その横で ぼくのほっぺは桃色になる
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淺葱鼠あさぎねず 空をおほひてむめの雨 赤橙あかだいだい地上ぢのへに落つる
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いのちが いくばくかしか ないとしたら やっぱり生きてたいと おもうでしょう
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うそつきと 見ぬくる君の裏技は ぼくの鼻の膨らみにあるらし
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十全な準備を済ませ術式に呪物のひそむ重箱を置く
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夜もすがら 空のうれひて泣きぬれば しとどとなりぬ今朝のおほざと
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チョコミントアイスは夏の正義だし歯磨き粉とか言ったら殺す
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風薫る夏が来たなら真っ先に君に出会って聞かせたいうた
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幼き日、母にナイショで隠してた、 何故か見つかる答案用紙
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推敲に 推敲重ね フィーリング 最初の短歌うたが よかったかなあ
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タヌ猫は 母の足元 離れずに ときに猫柄毛布のようで
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咲きまどい来ぬ人を待つ夕化粧 青い風吹く初夏の夕暮れ
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チョコその他 友の気遣いありがたく たまった疲れに じんわり沁みる
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とりあえずご飯を炊いてそれで良し 今日の夕飯昨日のカレー
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17時冷房ボタンをポンと押す あなたが帰る1時間前
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純粋な心はどこに行ったんだ あの夏の日に忘れてきたのか
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登山靴履きて踏みしむ舗装路にぢわりと滲む夏の一滴
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あまりにも純粋すぎて幼くて 貴方の隣に並べなかった
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