光差す 苔むす寺の せせらぎに トンボ止まりて 幕上がる夏
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毎日はメランコリックふと横見ると人間なんか気にせず今日も雀は横断歩道でランデブー
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どうせなら星になる時その時は 光り輝くシリウスになりたい
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自分から離れたはずのこの距離は 僕の心を蝕んでいく
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大型のダンプは速度を上げてくる丈高く伸ぶ夏草揺らし
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土曜日を満たす余熱を剥ぎとって少しずつでも寝室に置く
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明日にでも地獄に落ちて構わない それでも君に好きと言いたい
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5限後にバスで立ち寄る香林坊こうりんぼう 東急ハンズで文房具を買う
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縁繋ぐ 昔ながらの 古本屋 本と人、対話に学びあり
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あいつらは大阪人とちがうんやで泉州もんやら河内もんやら
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うつりゆく季節の色もうわのそら あやめも知らぬ恋におぼれて
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うまいこと韻が踏めない 聖歌など 取り入れてみたき 聖歌隊クワイア出身
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忍びつつながめ出だせばくちなしの 言はぬおもひを香にこめつるや
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鯨落いさなおつ おほふかき水底みなそこに 橫たふからはぐこむがため
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心臓をつかむてのひらをたどれば幽霊の名前を思い出す
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みづくきの 岡舩おかふねひきつ牛方うしかたの 上荷うはにをはこぶ木曾きそ山道さんだう
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「あると」ってとっても素敵な名前だね 出逢えた彼女ひとにありったけの感謝を
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心とは 壊れるために 作られた 絶望するなら 夢なんて要らない
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コロナ過ぎ 花粉の季節が 終っても 未だにマスク 顔隠すため
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サルでさえ反省するのに君たちは。世界水泳も電通の餌食
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ひさびさに いくらかゆったり シャワー浴び 介護用品 隅に設置す
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さみだれの うれひをつつむみほとけの ほのめきゆるむあかき桜唇あうしん
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早起きし楽勝余裕のはずの日も 結局間に合わなくなるのは何故
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檸檬堂 よわない方で 気分だけ 母と乾杯 検査お疲れ
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絶えていた連絡ふいに舞いこんでそちらの雨は小康状態
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お日さまは 今年も君を祝ってる お誕生日おめでと愛瑠翔
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金曜の夜のメニューはパスタです マンネリ防ぐクックパッド様
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いちまいの処方箋のみきみは持つオーバードーズするためじゃなく
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ジャム煮ゆるじゃらつく猫を邪険にし寂然としたジャズに聴き入る
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石上いそのかみ ふるきみやこ彌榮いやさかを おもひて住まふ民草たみの明け暮れ
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