ひと粒のオアシス授けエアメール「ザナルカンドにて」と書かれおり
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君の目にわたしは道だとうつるらしい 早朝四時の大運動会
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ぴったりと背中のくぼみにふわふわの四つ足ちゃんがごろごろしてる
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暑いでしょう お水をどうぞここはもう大丈夫にしてゆきますからね
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お爺ちゃん無事に着いたら掛けてねと精霊船にケータイ載せる
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新聞に平和の俳句詠まれおり 嫗おうなの耳に軍靴の音今もと
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料理動画気付いてしまう私には食べさせる子がもう居ないこと
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足の裏重い身体を踏ん張ってめくれたハート歩めば痛む
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終戦に何か詠もうとするけれどどうか一生足りないままで
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波間には夏の記憶は無くてたださらいきれない過去があるのみ
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濃翠の森 虻耳掠め野天の湯 我が血欲しいか幼蟲のため
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雨による傘と名の付く距離感が好きだったりする 恋に恋して
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夕方に開くプールが大人気生活変わる予言当たりて
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孫居らずほっとするのは最初だけ似た声あれば耳すます我
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戦争の愚かさ伝えるサイレンが未来さきの若人に繋がりますよう /終戦記念日の甲子園
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「なむだぶ」と唱える孫が愛おしき小さなでこに大粒の汗
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コロナ過ぎ会いたい人は激減しだけど君には会いたい会おう
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風物詩ふうぶつし 麦茶にうちわ 蚊取り線香せんこう 令和六年れいわろくねん 変わらないもの
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昨今は黙祷すらも忘れおりひなに教わる終戦記念日
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先人の無念の先に今あるとオリンピアンとふ君は語りぬ
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おとぎ話だと思ってた 赤紙が来るとかお国のためにとか
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夏の空入道雲大勢の雲を蹴散らし威張り顔する
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タトゥーを 入れた若いママ かたわらに 子はジュース飲む 「ママおいしいよ」
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人々はミカドのために嗚咽おえつせり心の叫び隠したままに/「戦争は終わった!」
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熱戦に こんなに心躍るとは まだ熱きもの 持てること知る
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蝉はまだ夏おしみつつ鳴くけれど空にちらほら秋の雲あり
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戦を始めたのは この国の皇 戦勝に 喜び勇んだのも この国の民 /敗戦の日に思う
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段々と はっきりしてくる 残165日 引継しないと 一つ残さないと
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向日葵ひまわりもくしてあおあお静穏せいおんよただ とわにあれかし
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終戦が決まりて今の我等あり静かに祈る今日の記念日
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