紅染めの渚に流れてくるものは 何も哀しみばかりではない
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街灯のもとで雨夜の青もみじ 葉先の雫 光さやかに
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空き瓶に川の流れを詰め込めばいつでも海の場所が分かるね
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栄光も 屈辱的な大敗も ブースター俺らは叫ぶ 羽ばたけアルビ
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苦しみを含んだ水を中に持つ 夜より暗い雨降りの家
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どうしても好きになれないカキフライ ココのは違うまた騙された
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一言に 振り回されて 沈み込む なんのこれしき 奮い起たせる
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ここ大事アンダーラインを引き過ぎて どこか大事かわからなくなる
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俳優の顔と名前で覚えよう 藤原だらけたまにみなもと
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思い出も写真一枚残さずに上手に消えたあの子の勝ちだ
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貴方だけしか美味しくない 飢え死にしちゃう前に早く気づいて
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キミのことアマく見ていた打つ手なし にこりと笑うキミはプロ棋士
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大切な 「君」 幸せに 成る事が 何も出来ない 僕の幸せ
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幸せが溢れて止まぬ日ほど思う 時間は過ぎて戻らないこと
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同輩ともがらの秘めたる思い知りぬればいつもの顔も変わるものなり
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詠草は局のポストと決めていて迷信のごと雨の中行く
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夕焼けの波打ち際を散歩する 立ち止まるキミ別れの予感
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日曜に LINEで「暇?」って 届いたら 平気な顔して 跳ねる心臓
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おぞましい 事件を見聞き するにつけ 純真無垢に 生まれただろに
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けんかして仲直りしてけんかしてまた仲直り風呂は早めで
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洗濯と買い物で終わる雨の午後 濡れた花びらそっと撫でてる
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頼まれてさらりと上げるブラインド 香炉峰の雪はないけど
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霧雨は そっと置くような 優しさで 大きなツツジを 露に濡らせる
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世界中てきになっても構わない 鳴らぬスマホをじっと見つめる
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縦横に行き交うひとも観客も射すくめている燃える骸骨
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カカカカカ!鳥を見つけた猫の声 日本中いや世界共通
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歌歌い僕が始めたことなのに 君のいいねは僕より多い
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分かってるみんなのためなら今すぐに身を投げるのが正解だとね
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蠢くは僕の心の黒いもの タマシキゴカイの糞が動く
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道なんとか 多すぎわからぬと母は言う 名前そこは説明のしようもなくて
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