朝8時 乗り合わせたバスで見渡すと 高校のスクールバスの様相
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河鹿蛙かじか鳴き ひぐらし歌う山奥の 温泉に来て魂洗う
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ポンっと音立てて咲く睡蓮よ うたた寝の神を 起こしてくれよ
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土砂降りの中で佇む一輪の 向日葵はただ晴れを待ち望む
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サヨウナラ どれほど聞いて 見送っても 別れに慣れず 一人佇む
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行く春を 見送る私に 容赦なく 日は照り夏を 思い出させる
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いまひとりとんちんかんで慰めのひとつも無いし氷をいじめる
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保育士はリアル家庭の内情も読めるからこそ子供は尊い
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うずたかく 積ん読の塔 そびえ立つ あの日の情熱帰ってこい
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野糞する若き女の草原にひっそり佇む観音堂
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一歳を過ぎると女優と呼ばれるの泣いたふりしてちら見するのよ
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なぜ人は死ぬんだろうと問いかけて 小さじいっぱいの涙をこぼす
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日が沈み 茜色にて 染まりたる 西空を見て 背筋が凍る
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目も覚めず 空虚な世界 貪れば 時は無残に 粉々になる
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落ち着いて今日の終わりを迎えたい いつでも彼の笑顔が愛しい
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《その理由わけは?》《一体何が?》梟のようにニュースは首を傾げて
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現実の 下らなさには 閉口し 夢から覚めぬ 人が集まる
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選択を 迫られ右と 答えつつ 左へ向かう 愚かな末路
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人生で 空虚なことが 多ければ 多いほどまだ 子供に過ぎず
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夢に醒めひと日気持ちの晴れぬまま吠え続けてる犬の声聞く
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人は皆 愛されるよう 欲すれば 愛することを 怠るなかれ
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死ぬことを 恐れるなかれ 復活を 信ずるならば 罪を恐れよ
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年取らば 残りわずかの 人生を 愛おしさにて 抱きしめすぎず
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ちょっとだけ喧嘩したのに溢れ出る かれにぶつけず短歌うたにぶつける
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夏なんて 何も解決 してくれない 夢の中では 相思相愛
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暑ければ 涼しい風を 追い求め 冬は籠りて 年取るばかり
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他人だし価値観違って当たり前 分かっているけど結婚忍耐
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ざんこくさ みせつけたいのか この世界の。めだつひなたに 群死ぬみみず
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捨てられぬかれ捨てる我 家の中8割近く夫の私物
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湿布でさえ 貼りっぱなしは くたびれる ヒトも頑張りすぎはダメだね
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