あかさたなはまやらわをん 恥を知る 振袖濡らし 悔い勉なきこと
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古人ふるびとや 寂しがらずや 空の下 消えゆくあなた 止めないわたし
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夢に酔い 夢の中毒 自覚して 今日も今日とて 布団に縋る
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空が回る息を呑む風に問う なぜ今この時死ぬ事が出来ぬのか
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華がある鼻が見たくて 目を見出す 鼻の先には 見えない花畑かばた
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夢を見て 夢を追いかけ 段上がる 立ちはだかるは 踊り場の踊り子
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君がため 春の野に出てて 若菜摘む しかし君は苦労のみぞ知らん
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夢叶い ここぞと言わず 己に叫ぶ あの日あの時 悔いは無いよと
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雲もなき 天を瞼に 我想う 君を追いした この目の瞼
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「千の風…♪」 歌いながらの 墓参り 君去りしから 百箇日となり
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君のため、心の部屋を空けてます。誰も来ないし、床は軋むし。
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心地良い風のそよぐ月夜なれば いつもより歩を緩める家路
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い君の 繋いだ右手 汗ばんで 何も交わさぬ 宵よいの明け方
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それはただ 静かな嵐に巻き込まれた かのようだった 恋の始まり
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紫陽花に 染まりし浴衣 袖通し 待ちます君の 駆け寄る姿
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ハンカチを貴方の鞄に忍ばせた ずっと週末一緒の気分
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夕立ちに 肩が触れ合う 傘の中 濡れて恥ずかし 張り付くシャツよ
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夕暮れをいつもの電車が通ります 今日はもう少し乗っててもいいよ
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午後三時 季節のはざま 長袖を 捲って歩く 夏日をつれて
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枝にあるうちは花でも落つ先で 踏まれて地面の模様になって
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沈みゆくXという名の泥舟で 青空に飛んだ人の手を見る
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白白しらじらと 嘘を付くのは 君の癖 吐露してみせて 流離さすらう機微きび
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老眼鏡かけても読めず虫めがねサプリのちらし「ご注意事項」
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葉桜の背にそびえ立つ森タワー 外から見るには美しいのに
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帰りたい気持ちを殺して残業す 早く終われどイライラ消えず
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一球に泣く粘投の惜敗は開幕投手みんなのエース
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いじらしく そっとあなたを 見つめるの 投げつけてみよう テレパシー帰りたいです
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弾かれたチェスの駒が倒れ込む カラカラ笑う君に敵わない
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沈みゆく思索の海を打ち破る君の手の盆に彼の好物
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三日前 遠い昔に 思えたの 次に会うのは 遥か未来ね
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