知ってると 思い込んでの 行き違い 人の配慮の 難しさ知る
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新居にて ごめんなさいと 誤りし 今更なんだと 別れし妻へ
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夏休み地獄の鬼の行き先は大江山荘鬼ヶ島ビーチ
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夢を見た夢の中では幸せで 仕事に向かう足取り軽く
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いはない貴方あなたの想い出持っている 私は無敵生きていけるよ
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空高くそびえる入道雲こそが僕らふたりの夏の墓標だ
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今日もまた土曜出勤引き受けた 八方美人もたいがいにしろ
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茜色ベンチに座り眺めたね あの日の世界ふたりだけのもの
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寝るために生まれた部屋の片隅で膝を抱えてひとり笑おう
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手羽元の下ごしらえを プスプスと 楽しいような めんどいような
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連休のリスケもせずに飲みに行く君をストーリーで見てから眠る
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すきならさ たった5分の逢瀬でも 惜しまないでしょ 嘘ついたでしょ
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おれもいつかジョーカーになってしまうのか電車の座席で揺られつつ思う
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待ち時間長いとは言え 院内で 竜田揚げ食べるご婦人 二度見
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カンカンと 工事の音かな 途中から お祭囃子に 移行したなり
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八十路の親に 付き添う息子も高齢の 声かけ優しく 和む土曜日
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緑の葉 野良ニャン 陰で涼んでる 遊びにおいでよ うちでオヤツでも
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出勤の朝は 長い髪ひっつめ 背筋伸ばしてスイッチ入れる
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秒針の動きをじっと見つめてるだけでいちにち過ごせちゃうよね
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小一時間まちのつもりの 美容院 待ち時間ゼロで 今日はいい日だ
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雨厭うきみの横顔すら愛し バスなら少し遅れるらしい
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わからないことがいっぱいあるけれど 私はロボットではありません
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正しさのアルケミストに踏まれても花はとりとめなく不老不死
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夏しぐれ。野に咲くユリの 孤独など だれが知ろうか 虎杖イタドリゆれる
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さみしさを拭いたくても振り切れず繭が並んだカウンター席
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眠ってる夫の顔にハンカチを掛けて合わすお茶目なワ・タ・シ
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まよなかにいきた練乳いちごにかけて美味しいねえって戯れあいたいね
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ひまわりの 綺麗な絵柄の箱ティッシュ ふさわしき季節 もうじきに来る
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静電気みんなおこしててびりびりの教室 ぼくはねんどこねてた
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しゃぼん玉すいこんじゃって死ぬかもとせきこむ サイケデリックな空
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