花言葉「愛」という花受け取るも私はそれを君に感じず
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幸福になるために生きてはいない(不幸になるためでもないけれど)
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図書館で 短歌の本を 借りてきた ちょっと憧れ 文語体の短歌うた
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恋愛は片思いほど美しい今もそこだけきらめいている
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心を持つ時代は終わった 誰もが望まないストレスに苛まれながら
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お彼岸に お墓参りのはしごして あの世の席取り こっそり頼む
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面白きは 橋の欄干 トンビいて 目線同じで 互いにガン見
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傾きし 椿井市場つばいいちばの 中程に 異世界のごとき 珈琲屋あり
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連れ添いてシルバー夫婦の五十年二本の轍振り返りなば
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その猫も死ぬよ 歌壇にてあらかじめ穂村弘が飼いはじめしも
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太陽に 左半身 焼かれつつ 右肩で眠るあなたを見ている
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灼け付くような暑さでも貴方はすらり立っている(幽霊だもの)
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畑も田も草だらけなり世話人せわびとをなくして宝原野に帰る
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友だちがペットボトルを輪切りして作った腕輪宝物だね
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予期不安厄介やっかいなものに取り憑かれ がんじがらめで未来が見えず
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永遠に今日という日を忘れない 無垢むくな私が愛を知った日
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かけがえのない一瞬を切り取って 短歌うたに残せり ねこ生せいなりや
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ちま猫が おみず欲しいと騒ぎ出す お水いつでも 器にあるのよ(笑)
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ごっそりと変わってしまった街並みを 彼と私は変わらず歩く
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「探偵はBARにいてGHOSTはブレインにいる」騒霊の住処、臓腑はらわた
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令和風看板POP俗謡耐えられぬ軽さ、の時代の先に在る、ことば
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きみたちの頭の中に入ってる型が役に立たない日がすぐに来る
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家族との 会話の時に 訛りだす 関西弁は トーンひくなる
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「失敗は成功の母」 へこたれず 次に活かして また挑もう
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生活の価値、意味、限界考えて 不幸集めの天才になる
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「お料理は苦手?そんなに構えないで、鍋つくれたらなんとかなるよ」
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白鷺とカラスがじゃれる田の上のそのまたうえの筋を引く空
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おつゆどき絵の具を刷毛で伸ばすよな筋引く雲の秋の訪れ
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水枯れてひしゃげた蓮のひらひらと葉の手招きを鷺が見ている
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知らぬ間に稲刈り済んでひこばえのそこそこ伸びて稲杭のもと
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