うたた寝の夢に昔を見つるかな花橘の匂ふ窓辺に
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口角を上げるとアゴが前に出る プッと吹き出す自然な笑顔
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首筋の日焼けを妻に教えられしたをきにして歩いてる日々
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いつからか 自分のために泣けなくなった いつか俯瞰したそのときに せせこましく込み上げてくるやろか
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陶器市あれこれ悩み楽しげに皿を選ぶの娘と共に
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夏でいい 大気放射されたの熱と 寂しい時間を潰すのだ
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マクド食べ 我と息子に 楽しそうに主人が歌う デブッタッタッター
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病床の 妻が見ていた 夏椿 何も知らずに 今年も開花
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寝るために謎のサプリを飲んでいる自然に眠れぬようになったよ
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水面みなもまで上がっていこうと手を伸ばす足掻け藻掻けど空気が抜ける
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「paypayで」「ごめんねうちはやってないの」 冬のポッケに飴玉二つ
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フレットが 打たれた楽器 く時も 遊び心は たまにはみ出す
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扇風機 爽やかな風 気持ちいい 暑さに耐える 夏の訪れ
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この世界だけは詩的でいてほしいたとえ世界に文字が消えても
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アンジェラという薔薇を挿木する未来が少し明るくなりぬ
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好きなこと好きなままでもいいじゃないそれが貴方の幸せならば
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結婚はゴールではなくスタートと 言ってたキミはソファーでゴロ寝
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「酒飲みになるよ将来!」言わせてる側面もある日曜の夜
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この垢は 本物なのか 偽物か それだけでいい 応えてくれよhttps://utakatanka.jp/kajin/5690
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大丈夫 「明日は来ない」と 泣く君の 明日に僕は ちゃんと居るから
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気張っても短歌が出ない大変だウンコが出ないよりも苦しい
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食細く さいわい少し痩せたかな 胸から痩せてく法則だけど
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爺ふたり世界情勢に泡飛ばし子らは歓声日曜のサイゼ
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老い忘れ放物線を描き飛ぶイメージ外れふらふら落ちる
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見つめても眩しくて灼かれてしまう太陽よりも月でありたい
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「迷っちゃう。赤白ピンク、青も好き!」 明るい雨は紫陽花に似合う
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くちびるを這わせ噛んでは跡残し想い忍ばせ香りは残し
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春の死の深く染む手は六月の桜の幹から脳に喰い込む
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夜の看護師ひと からかわれても うれしくて  あの人はもう 彼方ノ人に
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内臓の内を縫った星明かり 都合のいい夢を自嘲する朝
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