学歴がないのにやたら法律に強い人ってちとヤバくない?
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「笑点で座布団運ぶ仕事です」ハローワークで見ていた山田/笑
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あらかじめ潰されているプチプチでつつむ希望感傷罪悪
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ひとふたみ いとしきものを うしなって 青はみえない あきの曇天
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愛されぬ 行方も知らぬ かの命は 福井の海に 産まれて落ちぬ
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後輩ともからの引っ越し葉書に綴られた文字の嬉しきあの頃高校のまま
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半袖で金木犀を頬張ってエアコンつけて秋刀魚をころがす
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暖かなグレーを抱えて生きていく タバコの煙 大人だけの味
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工場のエレベータ塔に日の暮れて ハナミズキの葉に茜色足す
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思い出を 消し去るのには 早過ぎる まだ踏んばれる 一歩ずつ進む
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噛みちぎるマルゲリータのLサイズ あいつのスマホ覗き見た夜
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波響く 細雨さざめの夜に傘を差し いつ帰ろうかと管を巻きつつ
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無い尻尾しっぽ一生懸命振る老犬 分かる分かるよあなたの気持ち
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鼻は父 目は母に似た我の顔 在りし日の記憶 鏡みるたび
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幸せが ゆっくり 来るのが 怖かった 不幸は いつも 急に 来るから
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耳の疵 漢の誇りと自慢する じゃりン子チエの小鉄猫かな
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奇跡って貴方きみに出逢えた事じゃなく 同じ時代に生まれた事だね
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定休の寿司屋の前で待ちぼうけ 耳に喧嘩の疵ある黒猫
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そのままのこの世のほかの真実は 神も仏も比喩とこそ知れ
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七十の壁突き破り八十に これからどんな壁待つのやら
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上手く付き合っていこうって約束したのに 持病きみとはもう付き合いきれないよ
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いつも来る不安の闇に飲み込まれ 光を求めもがき苦しむ
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「つらいせき、喉の痛みに効く」飴を用法守らず舐める「美味しい」
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使わない倉庫の灯りを見かけ踏み出したら夕日 すぐに消える
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管理職で 社内ニートの 叔父の趣味 オカリナ吹いて 悪魔召喚
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手をふってくれる笑顔の友だちがいる学び舎のあたたかな窓
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栗菓子モンブランを 購い罪を償いし 小布施堂とや法外な値七百二円で(栗菓子顛末完結)
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能登半島地震に潰され大雨に水びたしにされて試練の続く
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あひ見てののちのおもひはすみれいろ日の出のまへのひさかたの空
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ようやく秋になったとおもったら夏が戻ったかのように照らす
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