部屋を出て 澄んだ空気が 肺満たす 夏は過ぎたが よし頑張ろう
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こうじょさま ころなめされ 公務休 ねがってみるは トットリの休日 / 皇太子銀ブラ事件( 笑 )
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生活は絶望的な営みで終わりに向かって歩いてどうする
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カーディガン羽織って隠す半袖の形に焼けた二の腕と夏
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別製のスピログラフで描いてくれ キリキリ歪む僕の心臓
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鳩も数えやすい秋晴れの下にて掃除機で朝蜘蛛吸う朝
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「おはぎ」食べ 今は全国それぞれの 故郷ふるさとかおる 彼岸菓子かな
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夢の中 二度と会えない人達に 会えた悦び 彼岸花咲く
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「もういいや。」 澄ました顔は 斜め前 一人の夏よ 君にさよなら
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深緑の 山を背にして 後ろから 今、そよ風が 一吹き君に
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いつからか 敬語の君に 逆戻り もう少しだけ 夏がよかった
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そうすれば他人なんて消えてしまうんじゃないの。草や木になればさ
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雲ひとつ 無かった僕ら 遠い夏 大人になって ゆくよ二人は
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夏去りて 風色変わる 夕の路 宵待の吾に 寂し色の風吹く
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にちようび 特別感もとめ 朝食のパンにクッキー一枚つける
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いっしょに書いた短冊も か細い竹に括り付けたし もう行こう
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常識も配慮も無いし服もダサい 図々しいので沈黙してみる
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引っこ抜く 女王蜂は 「はね」を「ね」に この地で一生 生きる覚悟で。
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スッキリと いさぎよさげで 美男子で 秋草抱えて 野に座す君 よ
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たかむらに遊ぶ雀の影長し嵯峨野の奥の秋の夕風
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起き抜けの風邪の調子は少し良いワクチンに向けしとやかに駆け
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端正な山のほとりで明日からの雨風のない道を祈って
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そうやってお前とおれの断絶は百年前から広がっている
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あのオバチャン只者じゃないレジ打ちがメチャクチャ速いスーパーウーマン
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待ち合わせ裸足のままで駆け寄って 脱げたサンダルもう要らないわ
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午前二時震えるラジオが繰り返す「なんとかなるさ」と ロックの偉人
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出し抜けにわかったつもり春一番 答えは風に吹かれて消えた
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忘れたらきっと再び一目惚れ これは一体何度目の君
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えんぴつと 消しゴム使って 世の中の 不幸を消したり 幸せ描けたら
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飼ひ犬も十歳なれば階段を上がりて時に足を滑らす
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