お酒より 酔ったあなたの 顔が好き  だから今日も 乾杯をする
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漆黒はやめろと北から呼ぶ声よ 桜の国に生きる我聞く
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ザリザリと砂を掻く音長々と そのまま顔を舐めてくれるな
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料理とは美味しく楽しく作るもの心も満たす誰かのために
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きんぴらは悲しいおかず父さんが「お前の味だ」と誉めたなんてね
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母親に助け舟出す歳になる娘はこの味覚えてくれるか
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猫がなく 犬も共鳴 蚊もぶんぶん 夏は未だ衰えず
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片手間に僕のこころを救ってく そんなあなたがほんとにきらい
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あの日からずぅっとずっと秘めていた ほんとは君にたよりたかった
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よそ様のおうちのねこも可愛いな この世話係は、会ったことあるのよー(笑)>こねこの頃
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あの娘の目 アスファルトだけを見つめてる。 お節介だが 雲は晴れたよ。
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珈琲の 水面に映る 寝不足顔 いつもよりも 鈴虫がうるさい
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寝てる間にプツンと切れたフィラメント 闇夜に溶ける私を許して
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家族でも 何を考え 思うのか わからないから こそ面白い 
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体温が宿るシーツに包まれて窓の隙間はさわさわと秋
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人類が 最も抱える 爆弾は  便秘人間の うんこ爆弾
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死神に 楽な死に方 問うてみる  死神は言う 私は死ねない
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夢と希望 追って育てた このお腹  今ここにある 米と脂肪や
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買いたての 包丁すでに ダメになる  キレ味抜群 今日の妻かな
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お金より 妻の心を 掴みたい  私の憧れ 追うは父の背
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導火線短いママで悪いけど靴下履くのに五分で爆発
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炊飯器覗きて今日から秋だねと言いし五歳の食む栗なりや
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幸せは痛みを伴うものと知る愛する子供に蹴られる寝床
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日々溜まるささくれ立った気持ちごと洗い流せよオキシクリーン
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最後の親が亡くなると、自分の老後を考え始める
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べったりと空覆う黒剥がすためいつでも爪は尖らせておく
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君の首から漂ってる林檎アップルの匂いに溶かしてよ僕の理性
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あの時に本屋で立ち読みしなければどしゃ降りにあうこともなかった
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「咲き誇れそれは勇気だ」未来からぼくを見ている僕が叫んで
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日常を重ねて厚き指先に ぴりりと沁みる昨日の後悔
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